第八話 赤薔薇
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は強ぇなぁ、でも頭の出来はあんまし良くねぇみてぇだ!」
相手の力が緩んだ瞬間、回し蹴り・《水月》を食らわす。
意識外からの攻撃に怯んだウガチの隙を突き、左腕を切り落とした。
「ガルルルァァァァァアアア!!!!!!!」
耳障りな悲鳴を上げながら、隊長ゴブリンは距離を取った。
ヤツは怒りが浮かぶ目でこちらを睨みつけながら止血をする。
「バカにしてたガキに腕を落とされる気分はどうだ? えぇ? イウム如きにやられる蜥蜴殺しのウガチさん?」
「こんのガキャァァアアアアア!!!!!!!!!!!!!!」
コイツは同じだ。
あのゲームで俺が殺してきたヤツらと同じ。
他人を身勝手に殺しておきながら、いざ自分が狩られる側に立たされると逆上してくる。
あのレッドプレイヤーどもと全く同じだ。
「ガルルルァァァァァアアア!!!!!!!」
殺してやろう。
あのクソどもと同じように。
剣を振り上げる。
あとは間合いに入った瞬間に振り下ろせばいい。
例え剣で受けてきたとしても、神器であるこちらが競り勝つ。
なぁ。
お前も同じじゃないか?
身勝手な理由でレッドプレイヤーを殺してきたお前も、アイツら
と同じなんじゃないのか?
お前はまた殺すのか?
あのゲームに居た時のように。
少し霧が晴れたような気がした。
ここでウガチを殺したところで、コイツは死ぬだけだ。
だがウガチを央都に引き渡せば、この惨状の原因を突き止めてくれるだろう。
そうすれば、きっともう二度とこんなこと悲劇が起きないはずだ。
そうだ。
俺のすべきことは殺しじゃない。
無力化することだ。
「死ねぇぇぇぇええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
単発垂直斬り・《バーチカル》
これで相手の右腕を蛮刀もろとも切り落とす。
そして刀身が足の位置に届いた瞬間、単発水平斬り《ホリゾンタル》を繰り出し、ウガチの両足をも切り落とす。
これでもう、コイツは何もできない。
「てめぇの負けだ、ウガチ」
俺がそう告げると、四肢を失いダルマのようになってた隊長ゴブリンが、突然笑い出した。
「俺の負けぇ? ブヒャッヒャヒャ、何を言ってやがる。この場合は引き分けだろぅ?」
「……この惨状を見てもわからないのか? 仲間は全員死に、お前は手足を失った。どこを見たら引き分けなんだ」
「最初から引き分けだったんだよぉ、てめぇとの殺し合いはなぁ!」
何を言ってやがる。
他に仲間がいるとでも言うのか。
ならなぜ助けに来ない。
このまま止血しなければ、コイツは確実に死ぬぞ。
そもそも、コイツは俺と何
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