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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン30 幻影の最終防衛ライン
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Gの効果を発動。特殊召喚するたび、俺は1枚ドローする」
「く……チューナーモンスター、妖刀−不知火!」

 妖刀−不知火 攻800

 意表をつく手札からの伏兵に表情を歪めながらも、一振りの妖刀が武部の隣にふわりと浮かぶ。その代償として1枚のドローを許してしまった形になり、今は単なる手札交換に過ぎないがこれ以上のモンスターの特殊召喚は一方的な本源氏のアドバンテージとなる。それを分かったうえで、圧をかけてきているのだ。
 だが、赤髪の夜叉はその程度で止まりはしない。

「はっ、だったら特殊召喚してやらないまでさ。魔法発動、黄金の封印櫃!デッキからカードを除外し、2ターン後のスタンバイフェイズにそいつを手札に加えるぜ」
「む……」

 すぐさま発動された魔法の効果により、糸巻の場にウジャト眼のデザインされた黄金の箱が鎮座する。何を除外されるのか理解した本源氏が渋い顔になる中、その蓋がゆっくりと開いて中に1枚のカードが吸い込まれていった。

「アタシが選ぶカードは当然、不知火の宮司(みやつかさ)。そして宮司が表側でゲームから除外された時、フィールドで表側のカード1枚を破壊できる!爆殺されちまいな、ターレット・ウォリアー」

 巨人の機械戦士が、その足元から炎に包まれて崩れ落ちる。空いたフィールドに、右手には薙刀を手にしたまま左手に妖刀を構えた武部が切りかかった。

「バトルだ。やれ、妖刀!武部!」
「承知の上で飛び込んできたか。相手の直接攻撃宣言時、墓地より幻影騎士団ミストクロウズの効果を発動!墓地に存在するレベル4以下の幻影騎士団1体を蘇生し、さらにこのカードを蘇生したモンスターと同じレベルのモンスターとして特殊召喚する。甦れ、クラックヘルム」

 幻影騎士団クラックヘルム 攻1500
 幻影騎士団ミストクロウズ ☆?→4 守0

 二刀流を構え大上段から飛び掛かった武部の一撃を、金属製の鉤爪が受け止めた。伸ばした腕の主は、成仏しきれない青白い魂が纏った黒装束。

「……なら!改めて武部でミストクロウズに攻撃!」

 不知火の武部 攻1500→幻影騎士団ミストクロウズ 守0(破壊)

 巻き戻しのシステムを利用してミストクロウズを妖刀で撃破、そのまま武部でクラックヘルムと相打ちを取ることもできる場面。しかし攻撃力わずか800の妖刀を攻撃表示で残して次の反撃をどうにかなると過信するほど、彼女は猪突猛進ではない。まして最初のターレット・ウォリアーは本源氏本人も言っていた通りあくまで腕試し、ほんの挨拶程度のものでしかないのだから。
 そして武部の振るう妖刀による返しの一太刀が、薙刀と鍔迫り合いを続けていたミストクロウズのガードをすり抜けた。

「自身の効果でモンスターとして特殊召喚されたミストクロウズは
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