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ツインズ×戦士達
SAO番外-兄貴
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とにかくその目と正面向き合いたくなかった。

やっぱり、知っているか。なら……隠す必要はないよね、もう。

「さっきいったよね?私達の世界と従兄達の世界の差異は、従兄が居ない事だけだって。あれ、嘘。私達が分かる限り、この世界と私達の世界の違いは、二つ……一つは、従兄が居ること。もう一つは……」

多分わかっているんじゃないかな?“もしも”の可能性を存在したならば、そのことに対して、想像したことありそうだから、だから私は躊躇いもなく告げた。

「サチが……もうこの世にいないこと」

もしもの可能性があってしまったこと、サチが他の月夜の黒猫団と共に死んだと言うことを……。

「…………」

「…………」

それからの数秒間、私と従兄の間には沈黙が流れる。 しかしそれは永遠に続くものであるはずも無く、やがて時間だけが過ぎ、ゆっくりと口を開いた。

「私ね――」

沈黙を破った話は、私がサチと過ごしたことの話をした 。

昔、月夜の黒猫団と言うギルドにレベルを偽って入っていたこと。兄の事が心配になり、同じギルドに自分も入った事。サチは、やはりその世界でもそのギルドに居たこと。私はサチに彼女を守ると誓った事。そして……従兄の世界と同じく、ある時黒猫団のリーダーを除く全員が結晶無効化空間+宝箱アラームのコンボトラップに掛かり、突然死の恐怖に直面した私は仲間も、兄も、そしてその世界のサチも全てを見捨てて、無意識の内に逃げた事。

そうして気付いて戻った時、生き残っていたのは、私達、偽って入団した双子の兄弟だったことまで話した。

「私は、とんだ愚か者だ。自分が強いと勘違いしたから、約束の重さも知らず軽々と言って、いざ恐怖が襲いかかったら、仲間も兄も約束もサチも何もかも置き去りしてしまった。私が…………月夜の黒猫団のみんなの未来を失わせた。私は――人殺しだ」

「…………」

出会って数日の従兄に、なぜこんなトラウマの話をしているのかは私にも分からなかったが、もしかしたら、私と従兄の関係が意味しているかと思う。従兄ことリョウコウは、私達の、従兄なんだから。

「その後は酷かったよ。あらゆるものを避けて、ずっと自暴自棄になっていて、自分一人でも戦えるために回避を身につけて、フィールドとかダンジョンに潜り続けて、ろくに寝ないで攻略に躍起になって……終いには『白の死神』って呼ばれるような、人になっちゃたよ」

「……よく生きていたな」

「うん……自分でも偶にそう思うよ」

あの時は、いつ死んでもおかしくないくらい、私は溺れていた。過去の真実と言う、底がない深海に。

「……で?それがまたある程度おとなしくなったのは、なんでだ?」

首を傾げて訪ねた従兄に、私は昔を懐かし
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