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ツインズ×戦士達
SAO番外-兄貴
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「ううん、キリカってさっきから、“ん!”しか言わないから面白くって。ね、キリカ、味どんな感じかな?」

「え?うーん……ッ!!」

味の感想を言おうとした時だった、急に寒気が走り、あの記憶が蘇った。

『ねぇキリカ、味どうかな?』

『現実と比べてはまぁまぁだな』

『比べる対象が間違っているよ』

『食えるだけマシだな』

『そう言いながら、食べるペース速いね』

『うっせ』

それは兄と共にレベルを偽って、月夜の黒猫団に所属していた、とある一日。

いったい、何を思い出しているんだか、サチに味の感想を言わないと……。

――サチに味の感想?

そう言えば、サチに味の感想、普通に言えてなかったっけ……。だ、駄目だな、私って、本当に…………何やっているんだろう。

「あ……あぁ……」

それは急激だった。

自分が何をしているのか、咄嗟に分からなくなり、“あること”を理解してしまった。

「き、キリカ!?どうした!?」

「おいおい……」

従兄と兄が心配している。そうだ、ここにいる兄は過去のことは知らない、従兄に至ってはまったくの他人だったんだから、急におかしくなった私の事情を知らない。変な心配をしたくないと思って何か言おう
と口を動かすも、

「あ、あ、あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

気が付けば、叫び出して駆けだしていた。

否、逃げ出した、と言うべきだろう。自分の制御が自分で効かなかった。頭の中が回転していない。それどころか滅茶苦茶だった。自分が何をしているのかさえ良く分からない。足が勝手に動いていたし、声帯は勝手に声を上げていた。ただ、あの場から逃げたかった。逃げないと自分が壊れると言う予感がした。

逃げることが一番の恐怖なのにかかわらず、私はあの場から逃げ出してしまった。



「っとだな……お前、味聞いただけだよな?」

「へ!?う、うん……多分……」

「多分ってお前……」

「だ、だって自信無いよ!突然だったし、私……何かしたのかな?」

不安げに表情を雲らせるサチと、立ちあがったリョウコウが話をしている。不安になるのもわからなくはない。事実、サチは何もしてはいない。

だけど、キリカにとってサチと言う人物は、未来を変える重要人物だと言うこと。サチと言う人物がいたから、キリカは絶望しては、立ち直って太陽のような優しい人になったと言えるのよ。

だから、キリカが去ったのはおそらく、

いや、間違いなくサチの関係だろう……。

「はぁ……」

あの子は基本的に打たれ強いけど、一度スイッチが入ったらどうなってしまうかわからないわ。きっと。

「お、おいドウセツ、どこに……!?」
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