暁 〜小説投稿サイト〜
天才少女と元プロのおじさん
夏大会直前
12話 息吹ちゃんお持ち帰りしちゃ駄目?
[後書き]

[8]前話 [9]本文 [2]次話
〜没ネタ〜(読まなくても大丈夫なやつ)


 休憩時間となりベンチに戻ると、正美は伊吹に声を掛ける。

「息吹ちゃん。私の投球フォーム真似できる?」

 正美は息吹に自分のモノマネが出来るか尋ねた。

「え???????うん。多分できると思うよ」

「じゃあさー??????」




「希ちゃん。1打席だけ勝負しよー」

 いつもの居残り練習で正美は希に勝負を申し込んだ。

「??????良かばってん、いきなりどげんしたと?」

 希は疑惑の試験を正美に向ける。

「良いから良いからー」

 そんな希に構わず、正美は希の背中を押してバッターボックスに立たせた。

 正美はマウンドへ駆けるが、そこには既に息吹が立っている。

 二人でコソコソと話し込む様子に希は疑問符を浮かべた。

「ねえ、本当にやるのか?」

 息吹は再度、正美に確認を取る。

「勿論!希ちゃんをビシッと抑えるよー」

 そんな息吹に正美はにへら顔を浮かべ、悪戯を仕掛ける子供のように話す。

「てな訳で、最初は息吹ちゃんに任せた!」

 相談が終わったのか二人は希の立つバッターボックスに向き直った。

「お待たせー。それじゃあ行くよー」

 希が構えたことを確認すると、正美と息吹が同時にセットポジションをとる。

 希の疑問を余所に、二人は同時に投球動作に入ると、また二人同時に腕を振り抜いた。息吹の投げたボールが放たれストライクゾーンへ吸い込まれていったが、正美の手からは何も放たれない。

 再び希に背を向け、すくに打ち合わせを済ますと、また二人でセットポジションに入った。

「次行くよー」

 困惑する希を尻目に再び二人で投球動作に移る。今度は正美からボールが放たれ、息吹の腕は空を切る。二球目も見逃し、B0ーS2。

「??????ねぇ、これ何と?」

 ジト目で正美を睨み、希は正美に問う。

「ふっふっふー。球が分身せずピッチャーが分身する魔球。その名も逆分身魔球!」

 胸を張って宣言する正美に希は呆れた視線を向けた。

「さあ、希ちゃん。この魔球に沈めーっ!」

 二人同時に振られた手のうち、正美からボールが放たれる。

 そのボールを希は完璧にコンタクトするとライトへ弾き返した。

「そんな??????私達の魔球が??????」

 正美はマウンドで崩れ落ちる。

「ほら、下らん事やっとらんで練習するよ」

 そんな正美を気にもとめず、希は居残り練習の準備を始めた。
[8]前話 [9]本文 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ