アイングラッド編
紅き剣閃編
True Tone―真実の音色そして、次のステージへ
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まっているのは端から見れ異様な光景だろう。
―-----例え、男性の後ろに巨大な何かが一撃で破壊されたような鉄の塊が噴煙をあげていなくとも……。
水城家は華族の流れの家なので、次女たる彼女は世が世ならお姫様だ。
だが、今の日本に貴族制はないため、本来ならばちょっとお金持ちのお嬢様ぐらいに止まる。
故に、彼女が今乗っている車がリムジンで運転しているのがいかにも『爺や』っぽさ満点の初老の男性でもまったくおかしくはないのだが……。
「沙良様、当主様よりお電話です」
「お祖父様から?何かしら」
リムジンに積んである大型ディスプレイに水城家の現当主、水城冬馬が映し出される。
祖父は昔気質だが、家族と電話越しに話すときは必ずテレビ電話を使うという粋な拘りがある。
『沙良、任務の首尾はどうであったか』
「問題ないかと、順調に開発が進んでいるようでした」
『ふむ、それはなにより』
「お祖父様、画像が荒いようですが……もしや、秘匿回線を使っているのですか?」
『そうだ。沙良、先程特務部隊より秘匿回線で連絡が入った。螢が帰還したようだ』
「………っ!!本当ですか!?」
『うむ、これはチャンスだ。沙良、螢が本来の力を取り戻すまでは危険だ。本家のやつらに警戒しつつ、螢の警護を行え』
「このことは、本家にもう……?」
『やつらに隠し事は無意味だ。既に公儀隠密に情報は抜かれているだろう。……いいか沙良、螢とお前はうちが『山東家』や、他の分家に対抗できる数少ない戦力だ。特務部隊には既に根回しが済んでいる。何としてでも螢を守りきれ』
「分かりました。お任せ下さい」
「お嬢様、どういたしましょう?」
話を聞いていた運転手兼執事の仙道が声を低めに訊ねる。
「今、あからさまに『城』に向かうのは危険だわ。一度、実家に帰って何らかの対策を講じます。……ああ仙道さん、母上には黙っておいてくれるかしら。その件ではお祖父様と一度話さなければいけません」
「承知しました」
『一騎当千』の兵力を複数有する水城家ですら、無数にある下位組織の1つでしかない。それらを統べる7つの勢力が出てくるのはまだ、先の話だ。
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