第六十四話 大森林の精霊
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索隊は300人を超す規模に膨れ上がった。
そして、捜索隊から武装偵察隊……略して武偵隊という名称に改めた。
武偵隊の任務は、ビットと連携して敵地での情報収集や斥候だった。。
現在、アニエスら武偵隊は、アワサら原住民と別れると悪霊の滝を離れ、周辺の地形を調べフォート・ノワールに送る作戦に従事する事になった。
アニエスは周辺の探査に出たウォーター・ビットから、大量に送られてくる地形の情報をフォート・ノワールに送る作業を捌いていた。
アニエスは左頬の分厚い絆創膏を取り払い、その醜い傷跡を周囲に晒すと、さらに精力的に任務に従事していた。
「デヴィット隊長。半径50リーグの地形データです」
「ご苦労。この情報をフォート・ノワールに送れば移動だ。それまで休んでいろ」
「了解」
アニエスは敬礼をして、武偵隊の本部代わりにしているテントから退出した。
武偵隊内、取り分けコマンド隊の面々は、アニエスの左頬に刻まれた傷を見て以来、同情的な視線を送ったり、何かと気を使うようになった。。
アニエスは、これらの視線や心遣いをありがたいと思っていたが、同時に鬱陶しくも感じていた。
外に出たアニエスは、次に武偵隊の主計課の購買テントに顔を出した。
「こんにちは」
「アニエスさん、前に申請した物が届いてますよ」
主計課の男が、テントの奥に高く積まれた箱の中から、一つの長い箱をアニエスの前に出した。
「早いな、助かった」
「この書類にサインを」
「分かった……って、多いな、20枚以上ある」
アニエスは、出された書類を一つ一つ確認しながらサインをしたら、30分以上掛かってしまった。それもそうだろう、アニエスが申請した物とは『場違いな工芸品』なのだから……
左頬の傷を付けたサーベルクーガーに対抗するには、愛用のM36では力不足だと悟った。
「……はい、確かに書類は受け取りました」
「箱のまま持って行ったら、空箱が邪魔になるから、ここで開けさせてもらうわ」
「分かりました」
アニエスは腰に差したナイフを取り出し、箱の隙間に刺し込むと、てこの原理で箱を開けた
箱の中には、『H&K G3アサルトライフル』が入っていて、アニエスは、緩衝材代わりの麦わらを取り除き、G3を箱から取り出す。
「これが……私の新しい武器」
アニエスは、G3を構え銃口を天井に向け、アイアンサイトを覗き込んだ。
「固定化の魔法が施されていますから、ちょっとやそっとの衝撃じゃ壊れないし、フルオートで撃ち続けても故障しませんよ」
「ありがとう、大事にするよ」
アニエスは新たな武器を気に入ったようだ。
「弾薬は200発……少ないな。すみません
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