第89話『優菜の想い』
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けど。ダメだ、全然落ち着けない──
「……っ!」
その時、波の音に混じって後ろから砂を踏む音が聴こえた。どうやら早くも結月が来てしまったようだ。マズい、まだ考えがまとまっていないというのに。
とにかく、最初に何と話しかけようか。そう考えながら、晴登は振り返ると──
「こんばんは、晴登君」
「え、優菜ちゃん!? 何で…?!」
「晴登君がここにいるとの情報を聞きまして、やって来た次第です」
「は、はぁ…」
振り返ると、そこには結月ではなく優菜が立っていた。彼女はにっこりと微笑み、そのまま晴登の隣までやって来て座り込む。
「えっと、何の用…かな?」
「本当にわからないんですか? そうですね・・・色々答え方はあると思いますが、時間も無いことですし、鈍感な晴登君には はっきり言った方が良さそうですね」
優菜はそこでゆっくり深呼吸をすると、じっと晴登を見つめて言った。
「晴登君、あなたが好きです」
夜風に揺られて、漣が鳴いた。
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