一なる魔法
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喜びの面々の中、泣きながらその場を離れていくソフィアが妙に目についた。彼女たちの背中が見えなくなってからしばらくすると、ウェンディも落ち着いたみたいで顔を上げます。
「私たちも戻ろっか!!」
「そうだね!!」
手を取り合い、小さな手を握り締めながら歩いていく俺たち。そんな中で、気になったことを一つ尋ねる。
「そういえば、今日って何の日なの?」
「レンさんとシェリーさんの結婚式だよ!!」
「えぇ!?」
いつの間にそこまで進んだのかと思ったけど、よく考えたら蛇姫の鱗にいた時に、シェリーさんはいつの間にかいなくなってしまってたし、いつ挙式をしててもおかしくない状況だったのかもしれない。
そんなことを思いながら、会場に戻ると、二人を中心に盛り上がっており、主役たちは晴れやかな笑顔を見せている。
「私たちもいつかああなるんだね」
「へ?」
それを聞いた俺は一瞬困惑し、硬直する。次第に言葉の意味をわかってくると、顔が赤くなってくるが、目の前の少女はもっと赤くなってきていた。それはもう熟したトマトのように。
「うん、もちろん!!」
自分よりも恥ずかしがっている相手を見て逆に落ち着いてしまった。もっと恥ずかしがっている彼女を見たいと思ってしまい、引き寄せるように抱き締める。
「ありがと」
すると、予想を裏切り体をより寄せてくる少女。これにはお互いに恥ずかしくなってきたのか、もう耳まで真っ赤だ。
「百合ってんなよ、レズップル」
「百合ってねぇよ!!」
レオンがいたずらっぽい顔でそんなことを言うので思わず突っ込む。期待通りの突っ込みに気を良くしていた彼だったが、シェリアから頭を叩かれており反省させられているのを見て、思わず笑っていた。
「もうウェンディのこと、忘れたりしないから」
「うん。約束」
体を寄せ合い幸せな二人を見ながら、自分たちの今も幸せに感じる。
一なる魔法に助けられた俺たちは、これからもそれを守り続け、育み続けたい。そのためには彼女を絶対に離さないと心に決めた俺は、強く彼女の手を握り締めた。
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