一なる魔法
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匠!!」
記憶がないことで私は魔法が使えません。今、この場で戦闘ができるのはウェンディとサクラ。二人は魔物の体に魔法を当ててくれますが、どれも効いているようには見えません。
「ううっ・・・」
その間にも魔物はどんどんと私を握る手に力を入れていく。体がミシミシといい、骨が砕けそう・・・
「やめてぇ!!」
少女の悲鳴を聞き、魔物はそちらを向くと口から魔法を放ちます。それにより彼女たちは地面に崩れてしまいました。
「ウェンディ!!あうっ」
心配して声を出しても、すぐに自分にも痛みが走ってしまいそれどころではなくなってしまう。
「やめてください!!」
「シリルが〜」
「しっかりしなさい!!」
聞こえてくる少女たちの声がどんどん小さくなってくる。意識が途絶えそうになり、体に力が入らない。
「やめて・・・」
涙を流している少女の声。それに答えることができない。
「シリルゥ!!」
泣き叫ぶウェンディの声。それが聞こえた瞬間、私と彼女の手元が光り輝いた。
「何・・・これ・・・」
光っていたのは、手にはめられている指輪。その指輪が光ったと思った瞬間、体に力が漲ってくるのを感じる。
そしてその瞬間に、今まで見たことないようなものが頭の中に流れ込んでくる。
「ウェンディさん、それって・・・」
「絆の指輪・・・」
俺とウェンディの手元にあるのは、妖精の尻尾に入った頃にもらった絆の指輪。深い絆で結ばれている二人が思う時、勇敢な戦士に力を与えてくれるというもの。
「水竜の咆哮!!」
口からブレスを放ち、魔物へとぶつける。それにより敵の手から力が抜けて、地面へと着地する。
「シリル!!あんた魔法使えるようになったの!?」
「え?俺は普通に魔法使えるけど・・・」
シャルルの言葉に首を傾げる。というか、なんでみんなそんなに着飾っているのだろうか?というかサクラに妖精の尻尾の紋章が見えるんだけど・・・
「え・・・」
そこまで観察してから、あることに気付いた。それは俺が着ているものが明らかにおかしいということだ。
「ちょっと!?何これ!?」
思わず体を隠すように身を小さくする。なんで俺も彼女たちみたいにドレスで着飾ってるんだ!?
「師匠!!もしかして・・・」
「記憶が戻ったの!?」
サクラとウェンディのその言葉で俺は気が付いてしまった。この服装の原因は、おそらく彼女たちにあるのだろうと。
「ウェンディ!!」
「違うシリル!!私は悪くないの!!」
首をブンブン振っているウェンディ。オシャレなドレスと相まって、より可愛らしく見えるその仕草に萌えてしまい、怒りがどこ
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