一なる魔法
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「ヤッホー!!」
そこにさらにシェリアとレオン、ラウルがやってきました、車イスのレオンをシェリアが押しながら。
「まだ車イスなんだね」
「でもよくなってきてはいるんだよ」
「もう少しで立てるようになるよ」
心配で声をかけると、シェリアが代わりに答えます。レオンも足を擦りながら、そんなことを言ってくれました。
「そっちは・・・まだまだみたいだな」
「あはは・・・」
相変わらずズバッと切り込んでくる彼に苦笑いせずにはいられません。でも、彼も言ってから余計なことを言ったといった顔になっていたので、良心はあるみたいです。
第三者side
「師匠!!向こうの森に何かいましたよ!!」
「ダメだよサクラ!!危ないよ!!」
「あ!!待ってシリル!!」
すぐ近くの森へと駆けていくサクラ。それを追いかけるシリルとウェンディ。シャルルとセシリーもそのあとを追ったのを見て、彼らと仲の良い魔導士たちが集まっていた。
「シリルの記憶は戻りそうにない・・・か?」
「ポーシュシカさんにも見てもらったが、進展なしだ」
彼の記憶を取り戻すためにあらゆる手段を試してきた。しかし、どれも効果はなく、ただ時間だけが虚しく過ぎてしまう。
「ソフィアが余計なことしなければ・・・」
「テヘッ♪」
それでも、今までの日常に近い生活をさせることができていれば支障はなかったはずだろう。だが、一人の少女の悪巧みにより少年の記憶は明らかに違う方向に向かっている気がする。
「いや・・・俺が不甲斐なかったからだよ」
そう言ったのは珍しく正装になっているナツ。彼は最後の最後のことを、今でも気にしている。
「それを言うなら俺たちが、だろ?」
「いや、みんなボロボロだったし・・・」
「それはお前も一緒だ」
グレイとリオンから慰められる形になっているナツ。明るい雰囲気の中、そこだけは暗く、お祝いムードとは程遠いものになっている。
「何暗くなってるんですか?」
「そうだよ、せっかくのレンとシェリーさんの記念日なのに」
「何かあったの?」
そこにやって来たのはタクト、ヒビキ、イヴの三人。主役のレンとシェリーの着付けや本日の料理といった裏方をしていた彼らも手が空いたからか、彼らのもとへとやってきていたのだ。
「料理が口に合わなかった?」
「いや、あいつのことでな」
もうほとんど姿が見えなくなっている少年の方を向いたリオンに、三人は納得したようにうなずく。彼らもシリルのことは気になっていたようで、何とも言えないような顔になっていた。
「シリルちゃんの記憶が戻る可能性はあるのかい?」
「今のところ、そんな可能性が
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