陰影ミステリアス
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まい言葉が思いつかなくて話が長くなっても、説明しようという努力は伝わるよ」
「ん……じゃあ、やってみる」
そう言ってケイオスは徐にディエチに近づき……、
ドンッ!
「ひぃ!?」
ディエチの顔のすぐ横を目掛け、右手で壁をどついた。あまりの衝撃で壁が凹むのをよそに、ケイオスは涙目でビビったディエチの目をまっすぐ見据えて言葉を練り出した。
「俺は知っている情報を言う事は出来るが、考えて説明するのは正直苦手だ。だから単刀直入に言う。無駄な危険を冒すな」
「ひゃ、ひゃい!?」
「ここは室内で狭いから、下手に出て来られると攻撃に巻き込まないよう余計な意識を使う必要が出てくる。だから戦うのは俺一人で十分だ。納得したか?」
「はいぃ……!」
「よし、じゃあ行こう」
ディエチの了承を得たことで、ケイオスはすんなりと離れて先に進みだした。思わず崩れ落ちるディエチへ、にやにやしながらセインが近づき……、
「いや〜すっごい壁ドンだったね! ドンどころかドォォォンッ!!! って感じだったけど!」
「違う……違うよこれ、全然説得じゃない。ただの脅しだよ……」
「でもドキドキしてるんでしょ? まさかの恋の始まり? あ、でもシャロンがいるから略奪愛? もしかして昼ドラ展開?」
「確かにドキドキしてるけど、方向性が違うから。恋愛じゃなくて恐怖によるものだから」
「ん〜、まあ実際ビビるのもしょうがないよねぇ。この威力だし」
苦笑しつつセインは、ケイオスの手形がくっきり残った壁に目を向けた。そして何を思ったのか、マジックペン(油性)を取り出して『ディエチ初めての壁ドン記念』なんて落書きを残した。なお、ディエチが赤面しつつ必死に消そうとしたが、消せる道具が無かったので渋々断念するのであった。
少し休んでから二人もケイオスの後を追った所、やけにスキャニング設備が多い通路の先にあった扉の端末を操作した。
『警告。この先の区画は極小兵器開発区画です。大気汚染の危険があるため、防護服は着用していまままままま――――』
「バグってる……」
『入室条件をクリア、大気交換開始』
プシュー!
『大気交換終了、扉を開きます』
端末の音声を聞き流しつつ扉が開くと……、
ドシャリとウェルスが倒れてきた。
「ひぃ!?」
「死ん……でる?」
「そう、みたい。多分、先に行ったケイオスが倒したんだと思う」
「だろうね。あ〜ビックリした〜」
「このフロアの設備は一応生きてるみたいだけど、流石にセキュリティに関してはもう信用できそうにないね」
ただ、こうやってじっくり見てみると、ウェルスの死体はまるで苦痛から解放されたように安らかな顔をしていた。人
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