陰影ミステリアス
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上、私は歯を噛みしめて無理やり自分を律していた。
「しかしアナタの今の砲撃の分、代償を払ってもらいましょうか。ワタクシの言葉を聞かなかった罰としてね」
「代償だと!?」
「さて、どうしてくれましょうか。這いつくばって命乞い、だけじゃつまらないですよね。人間基準ならアナタの容姿は上々ですし、そういう趣向で命令を出してもいいのですが、残念ながらここには観衆がいませんからね。あまり期待できそうにありません。……ですが」
何を考えたのか、ポリドリは左手でシャロンの首を掴み、彼女の身を持ち上げる。意識が無いとはいえ、首を絞められて苦しそうな表情を浮かべるシャロン。
「シャロンに何をする気だ!?」
「せっかくなので、彼女に代償を払ってもらおうかと思いましてね。アナタが無駄な抵抗をせずにいれば、彼女の顔に傷が入ることも無かったんですけどね」
口の端がニヤリと吊り上がったポリドリは、右手のレーザーブレードをシャロンの眼前に向ける。女性の顔に傷が入るということが当人にとってどれだけ苦痛なのか、同じ女性なら……いや、人間なら誰だって理解できる。
「や、やめろ……!」
「やめろと言われて待つものがいますか」
『そうね、だったらこっちも遠慮はしないわ』
聞き覚えの無い少女の声がいきなり聞こえた次の瞬間、シャロンの胸から黒いトゲが飛び出て、ポリドリの左肩を貫いた。予想だにしない不意打ちでダメージを負ったポリドリは思わずシャロンから手を離し、崩れ落ちる彼女から一歩後ずさった。
「ぐっ、なんなのですかこれは!」
ポリドリが床に転がるトゲを憎々しげに睨みつけ、怒りのままに踏みつぶそうとする。しかし踏まれる直前、横からかすめ取るように私がそのトゲを拾い上げた。そして……、
『期待通りに動いてくれたわね、リインフォース・ネロ・アインス』
「む、私のフルネームを知っているということは……」
『詮索は後にして。ほら、来るわよ』
少女の声に指摘されて咄嗟にバックステップすると、すぐ目の前をポリドリのレーザーブレードが通り過ぎた。
「想定外の介入がありましたが、邪魔者はここで消してしまえばいいのです!」
『望み通りの展開にならなかったせいで猛ってるわね。さあ、次はあなたの出番よ、祝福の風』
出番って言われても、さっきみたいに私の攻撃は通じないのだが……。
などと憂慮していたら、チクリとした痛みと共に私が手にしたトゲが姿を変えていった。トゲから植物のツタが伸び、螺旋状に絡まってレイピアのような鋭い刃を形成。柄の部分に黒い薔薇が咲き、ソル属性のエナジー特有の暖かさが伝わってきた。
『それは私の力を基にシャロンの中で形成した、あなたとの繋がりを示す剣……』
「つまり、シャ
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