陰影ミステリアス
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失敗したわ。その後すぐに永劫回帰が発動したけど、姉さま達は次こそ状況を変えるために、自分達の存在が消滅することも承知の上で、残された力を全て使って黒兄さまを世紀末世界に送ったの」
「そして転移してきたダーインから、ドゥラスロールは事のあらましを全て聞いた、と。ひとまず情報の経緯はわかったけど、それならダーインは今どこにいるの? 話がここで終わりなら、彼は世紀末世界のどこかにいることになるけど……」
「いえ……黒兄さまはもういないわ。戦いで疲弊していた黒兄さまは最後の力を使って、憑依した肉体と影の本体で意識を二つに分離させたの。世紀末世界に来たのは憑依した肉体の方で、影の本体は次元世界に残ったまま……要は分け御霊である私と本体みたいな関係ね。私が話を聞いたのは、その憑依した肉体の黒兄さまだけど、意識や記憶は同じだから黒兄さま本人であることは間違いないわ」
「いや、そこは別に疑ってないけど、話を聞くだけでかなり強引に分離したんじゃないの? というか憑依した肉体の持ち主の意識はどうなったの?」
「あぁ、そこを言ってなかったわね。憑依は同意の上で行ったそうよ。だからリンゴの時のように無理やり乗っ取った訳ではないわ」
「同意があったのなら良いけど……そのヒトもずいぶん思い切ったことをしたね、イモータルに体を預けるなんて」
「そうね、黒兄さまが最初にそのヒトの協力を得られたのは本当に幸運だったわ。だけど結局、目的は果たせなかった。それに決戦後はどちらの黒兄さまも、存在を維持する力さえ残っていなかった。実際、世紀末世界に来た方の黒兄さまは情報を私に伝えたら、それで力尽きて消えてしまった……」
「ドゥラスロール……」
「同情の必要はないわ。久しぶりに黒兄さまと話せたのは嬉しかったし、最後にお別れをちゃんと言えた。私にとってはそれだけで十分過ぎるわ」
そういうドゥラスロールの表情からは後悔の念は感じられなかった。イモータルでも兄妹なのだから本当は色々思う所があったんだろうけど、それは彼女達だけが持つべき感情だ。部外者が聞き出すようなことじゃない。
「話を戻すわ……次元世界に残った影の黒兄さまが永劫回帰を超えた後、消えるまでの間に何をしたのか。シャロン、あなたはもう気付いているんでしょ?」
「うん……何のためかはわからないけど、高町なのはに影の一族としての力を全て託した。だからリトルクイーンはダーインと同じ能力が使えるようになった」
まあ、ダーインのことだから重要な理由があるんだろうけど、今は不明だ。この辺りは恐らく似たような情報を探っているであろうディアーチェ達とも相談したい。
そしてドゥラスロールの話の中にも疑問点がいくつかある……例えばダーインがこっちで憑依した者。それと、最終決戦の内容だ。協力
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