陰影ミステリアス
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らせていれば、次のイモータルが攻めてくることは無かったのかな?
「まだ世紀末世界で存在している以上、私は一緒にいられなかったけど黒兄さま達、最初は上手くいってたみたい。でもツァラトゥストラの永劫回帰は星も銀河も、ヒトもイモータルも全て分解してしまう……白姉さまも、青姉さまも……」
「……」
「でも黒兄さまだけは、ツァラトゥストラの永劫回帰の効果を受けなかった。だから唯一生き残って……イモータルなのに生き残るって表現は変かもしれないけど、肉体じゃなくて影が本体の黒兄さまは永劫回帰の後も記憶と存在を維持できたの。そして再構成された白姉さまと青姉さまは記憶が世紀末世界の浄化直後で途切れているのを知って、この世界に異常事態が起きていることに気づいた。放置していたらまた銀河ごと消滅すると察した黒兄さま達は銀河意思の思惑と関係なく、真実を探る旅を始めた」
「どの勢力にも属さないで行動する……イモータルにも色々いるんだね」
「過程は省略するけど、太古の時代にベルカで起きた出来事……イクスヴェリア達とポリドリの戦いによって、黒兄さま達はデウスの存在を知った。それを基にツァラトゥストラの事などを長い時間かけて調べて……ついに全ての真実を探り当てたわ」
長い時間なんて言って一言で済ましているが、実際はヒトの一生を軽く超える年数がかかっているはずだ。私の一存では決められないが、ヒトでは到底不可能な偉業を為した彼ら影の一族は、世紀末世界で行った所業への贖罪を十分果たしたと言っていいと思う。
「黒兄さま達はすぐ次の行動を起こした。ここまでの旅でも協力者はいたけど、自分達だけじゃこの事態に対処できないと考え、黒兄さまはもっと多くのヒトにも協力を持ち掛けたの。その世界の管理局や見込みのあるヒト、とにかく片っ端からね……」
「でも、上手くいかなかった……?」
「ええ。黒兄さま達が真実を探っていた間も、その世界はポリドリやロキの主導で銀河意思による吸血変異が行われていたわ。そして状況は今の世界よりも悪かった……エナジー使いがほとんどいなかったから、ミッドチルダは押し負けて完全に滅んでしまい、地球も含めた多くの世界が壊滅的な被害を受けた。それゆえ滅亡のふちに立たされた人間達はそっちにかかり切りだったし、噂しか聞いたことが無い正体不明のイモータルの言葉を信用してくれなかった。それどころか危険視されて敵対する羽目になった。だから結局、黒兄さま達は万全の準備とは程遠い状態で決戦に挑むしかなかったわ」
「まあ……ずっと戦ってきた以上、イモータルを信用するのは難しいよね。絶体絶命にまで追い込まれていて余裕が無かったんだろうし、おまけに今まで姿を見せて来なかった相手だと尚更ね……」
「結論から言うと、破壊には
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