暁 〜小説投稿サイト〜
リリなのinボクらの太陽サーガ
陰影ミステリアス
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私の力で接続を断ち切ったから、さっきのように精神が捕縛されることはないはずよ」

「操られたナンバーズから斬奪したあの光の塊はデウスのもの……力自体は干渉してこないけど、本体が私も操ろうとしたってことか。……じゃあ斬奪は出来ればあまりしない方が良い?」

「率直に言えばそうなるわね。あなたの斬奪は相手を浸食している力を得られるし、相手を助けることもできる。けどその分、あなたの体と心を蝕むわ」

つまり誰かを助けたら助けただけ、私が苦しむ羽目になるのか。時と場合によるけど、見捨てる覚悟も必要になると……何とも使い勝手に困るなぁ、この力。

「そういえば私が取り込まれたら、今までの戦いが無意味になっていたってどういうこと?」

「あなたも感じ取っていたはず。あれの力は神と言っても過言ではない、その思考も世界の味方ではない、そんなのが目覚めたら何が起こるか想像つくでしょ?」

「全ての消滅……次元世界も世紀末世界も、無限に渡る並行世界も含めた何もかもが一切合切消える。残るは無のみ……」

「だから皆、あれを目覚めさせないようにした。でもそれが結果的に、世界の未来を閉ざすこととなってしまった。今までに無数の人達がこの輪廻を壊そうと戦ってきたけど、結果はご覧の通り。世界は未だ、輪廻から抜け出せていないわ」

ツァラトゥストラの永劫回帰のことだね。最高評議会から世界がループしてる事は聞いている。なるほど、デウスを目覚めさせないためにツァラトゥストラがあるのか。……ん?

「ちょっと待って、ドゥラスロール。あなた、どうしてそんなに詳しいの? 太陽樹と同化したとはいえ、あなたは世紀末世界の存在。次元世界の事情を知る機会なんて無かったはず……」

まあ、私の知覚範囲のことなら知ってただろうけど、それは置いておく。

「黒兄さまから聞いたの」

「黒きダーインのことだね。でも彼も浄化されたはずじゃなかった……?」

「数奇な運命の下、ジャンゴに浄化された後に黒兄さま達も次元世界に再臨したのよ。でも黒兄さま達はラタトスクのように復讐に走ったり、再び計画を始めたりしなかったわ」

「何というか……影の一族はやる気失くしてたの?」

「単刀直入に言うとそうなるわね。別にジャンゴ達に浄化されたから不貞腐れてそうしてたんじゃなくて、また長きに渡って封印されるより、どんな形であれせっかく兄妹そろったのだから……ということで世捨て人のようにひっそり暮らそうとしたらしいわ。今では私も命を見守ることに意義を見出しているから、もし一緒に再臨したとしても同じようにするわね」

それって言い方はアレだけど、イモータルが面倒くさがって何もしないという、ある意味ヒトにとっても都合の良い状態だったのか。ってことは、この世界にいた彼らがそのまま暮
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