陰影ミステリアス
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じ開けていき、ケイオスは埃まみれの身体をぐいっと持ち上げた。まるで粘土のように金属を歪める圧倒的な力や、超重量の物体が頭に直撃しても全く損傷が見られない頑丈っぷりを見せつけたケイオスを、ディエチとセインは色んな意味で味方で良かったと痛感した。
「あんた達、怪我は?」
「おかげさまでご覧の通り。ほとんど無傷で済んだよ」
「考えてみればあたしはISで地面潜れば良か……あ、無理だ。先にエレベーターに潰されてるなぁ、あの落下速度じゃ」
「ん、ひとまず問題ないならさっさと行こう」
「あんなことがあったのに、結構あっさりしてるね」
「正直、早くシャロンの所へ戻りたい」
「あ〜あ〜、そゆことかぁ。あんたも気になる子は心配するんだね〜」
「ドライバーだからな、当然だ。……この先は未知の領域だ、何があっても不思議じゃないと心しておくこと」
「「了解」」
しかし内心では「まあ、君がいれば何があっても大丈夫そうだけど」と思うセインとディエチであった。
閑話休題。
いきなりのトラブルはあったものの、改めて攻略を再開するケイオス一行。最初の方は地上の施設と同じ雰囲気だったが、他にもあったエレベーターやリフトを乗り継ぐと、まるで違う年代の建物を連結させたかのように、急にミッドのとは違う年季が入った設備や材質で構築されている施設に成り代わっていった。
「何だろう……初めて見るよ、こういう場所」
「変だなぁ、ここじゃあたしのISが使えない。もしかしてこの施設、地面という概念がおかしくなっているのかも?」
「ん……大きな力の流れがある。ここに入ってから、急に感じ取れるようになった」
「大きな力?」
ディエチがケイオスの感じている力の正体を尋ねようとした時、自動扉を通った先の光景を見て彼女達はその質問よりも驚きが先に頭の中を占めた。
「な、なにここ!? なんでこんな場所に街があるの!?」
「とゆーかあたし達、どうしてこんな高い場所にいるのさ!? ここまで降りてくるルートしか無かったのに……!?」
高架橋のような通路から広がるのは、外郭大地に覆われた地下……否、真の地上世界だった。しかし一片も日が差さない場所なので真っ暗かと思いきや、眼下の廃墟を埋め尽くすほどの魔導結晶の光や、この施設の足元から竜巻のように地上まで伸びる光の流れがこの世界に明かりを与えていた。
彼女達が混乱してる中、唯一状況を把握しているケイオスが冷静に言葉を紡ぐ。
「あの街は古代ベルカ、聖王国に存在していた主要都市の一つ、ユーディキウム」
「古代ベルカ!? 聖王国って……まさか聖王教会が崇めてるっていう……?」
「聖王オリヴィエが誕生した国かぁ……」
「そして、俺がこの手で滅ぼし
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