幕間 安東夫妻のほのぼの☆東洲再建記
第一章安東家中改革
安東家中大改革(上)
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端くれに携わっているのだよ」
「フフフ、失礼いたしました、えぇおっしゃる通りです。
商業における権力は皇都に通ずる大商人にすべて帰するところになりました。
彼らは護州、宮野木、そして西原家といった大貴族と連携して台頭してきたのです。
我々は目加田公を強力に手助けしました。彼は東洲の統一に尽力し、駒州公や護州公との結びつきを強めていました」
「‥‥‥だが皇家と執政府への影響は制限されていた」
本来であれば東海艦隊も海良家が司令部主流を務めてもおかしくなかった。だがあまりにも土着勢力として強すぎたことで彼らは東海艦隊の戦隊司令官として編成された。艦隊司令官には五将家の分家筋など家格の高い者が就任することになっている。
「‥‥‥えぇ、そして公は蜂起し、独立国を作ろうとしました」
「そして海良は賛成しなかった」
瑠衣子は寂しそうに笑った。
「反対しました。勝つことは決してできませんから――いえ、世辞ではありません。
例え東洲が生産能力は独立にふさわしかろうと、輸送を行う我々の東洲灘は係争地になる。
皇都の廻船問屋どもにとっては一時の損で大いに利益を得ることになります。
目加田公が勝とうと我々は彼に完全に支配されるまで痛めつけられることは決まっていました」
「そして目加田公を捨て、今度は我々と結びつこうとしている」
独立宣言の使者が宮城を出てから小半刻もせずに宮城に駆け込んで執政相手に目加田公の臣下からの独立と目加田公への宣戦布告を報告、救援を要請東洲灘より手持ちの船を総動員して回して駒州の港から皇国軍を移送したのだ。
「えぇその通りです。我々は水軍の居るべき場所で公的な地位を得る事は最早かないませんでしょう」
叛徒の家臣であった過去は内応しても消えるとは限らない、ましてや〈皇国〉を支える体制が水軍という天領の金で重臣団に階級と栄誉を保証できる限りある役職を奪い合うのであれば。
――成程、海良はこれが欲しいのか。と光貞は頷いた。
屈辱であり衰退を押し付けられたこの情勢。だからこそ安東の内部に入り込みたいのだ。
光貞に向かって瑠衣子は頷いた。
「えぇその通り、お互いの繁栄のために必要だと存じます」
目を逸らさない。家の利益を互いに提供し合い、それについて論じ合う。そこに個人は存在しない。
「なるほど、わかった。海良を信用しよう。それに私に欠けたものをきっと君が補ってくれるだろう。
私個人としても君と良き人生を送れると信じる。貴方にとってもそうであるように努力しよう」
瑠衣子嬢もニコリ、と微笑を浮かべた。
「いえ、我々が東洲公爵家に連なるものとして扱われるのであれば、海良の家としても大いに助かるでしょう。
私個人としても良き人生とならんことを、貴方にとっても、私個
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