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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
人と希望 後編
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大きな声を張り上げました。

「ナツ?」
「どうしたの?」
「あいつら・・・結局一度も本気を出さなかった・・・」

突然のことにすぐ近くまできたハッピーと問いかけるルーシィさんでしたが、彼からのそんな言葉に思わず顔を見合わせます。

「天海はよくわかんねぇが、ティオスは全部の魔法を使ってたじゃねぇか」
「あれで本気じゃなかったのか?」

グレイさんとガジルさんのもっともな言葉。それに対し、ナツさんはルーシィさんの手を借りながら起き上がり、答えます。

「天海はまだ余裕があるように見えた。息も上がることもなかったし・・・それにティオスは・・・」
「神の領域を使っていなかった・・・ですか?」

ジュビアさんの問いかけに小さくうなずくナツさん。確かにティオスはレオンを主としている体。それなら彼の最終奥義である神の領域を使えば、私たちを倒すこともできたはず・・・

「使えるわけがないさ、あんな諸刃の剣を」

それに答えたのは、リオンさんに担がれているレオン。その言葉に、皆さん顔を向けます。

「天海もティオスも、二人での戦いが最後であり最重要バトルと認識していた。それを控えている状況で、すべての力を出すことなどできるはずがない」

まぁ、どちらかが力尽きていればもう片方はその回復を待つことをするだろうけどな。と続けるレオン。それでも納得いかない表情を浮かべている彼の頭に、エルザさんが手を乗せます。 

「なんでもいいじゃないか。みんなを守ることができたんだから」
「・・・だな」

まだ納得しきれていないようでしたが、皆さんを守れたことが何よりもよかったと心から思っているのでしょう、ナツさんが彼女に笑顔で答えます。

「シリル!!」

そして私は、この絶望に終止符を打ってくれた少年の元へと駆けていき、後ろからぎゅっと、いまだに座り込んでいる彼を抱き締めます。

「ありがとね、シリル」

涙ながらに、彼の無事に感謝しながらそう声をかけます。何もかもが終わったとこの時私は思っていました。
でも、そうじゃありませんでした。

「・・・」
「シリル?」

座り込んだまま何も返事をしない少年。不思議に思い彼をじっと見ていると、振り向いた彼は生気を失ったような目で、こちらを見つめ返します。

「君は・・・誰?」
「え・・・」

小さな体で戦い続けた少年(シリル)。その反動はあまりにも大きく、その場にいた全員が困惑するしかありませんでした。



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