人と希望 後編
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シリルとティオス、二人の決着が着く少し前・・・
「雷炎竜の咆哮!!」
イグニールの力、ラクサスの力、そしてこの場にいる仲間たちすべての力を集約させたナツ。彼はブレスで目の前の敵へと先制攻撃を放つ。
「なかなかのものだ」
雷と炎・・・二つの属性が混ざり合ったそれも天海は払ってみせる。彼はそのまま突進すると、ナツも呼応するように駆け出した。
「雷炎竜の鉄拳!!」
ぶつかり合う両者の拳。その勢いは凄まじく、大地を大きく揺らした。
「いいぞ、もっと来い」
「ナメたこと・・・」
自らと互角の力をみせる敵に笑みを浮かべる天海。それを見たナツは怒りに満ちた表情でもう片方の拳に炎と雷を纏わせる。
「言ってんじゃねぇぞ!!」
振り抜かれた拳を受け止めようとした。しかし、ナツのそれはあまりにも速く、天海の頬に突き刺さる。
「まだ上があるとは」
それでもこの男の心は折れることはない。まともに強大な魔力を秘めた拳を受けたにも関わらず、怯むこともよろけることもせず、すぐに反撃に打って出る。
「ぐあっ!!」
素早く体重を移動させ脇腹目掛けて蹴りを放つ。ナツはその一撃に思わず吐き出したくなる衝動に刈られるが・・・
「負けてたまるかぁ!!」
大声を張り上げその衝動すら忘れさせようとする。目の前にいるのは兄の仇であり、大切な仲間たちとの出会いの場を作ってくれた初代マスターも突き刺した非情の男。彼を倒さなければ、心は晴れることはない。
「はぁぁぁぁ!!」
それに、仲間たちが力を貸してくれた。父と友の力も大きく使いながら、接近戦で敵を迎え撃つ。対する天海も、自らもを燃やし尽くしてしまうのではないかというほどの炎に身を包む青年に、真っ正面から向き合う。
「竜魔の咆哮!!」
この戦いに喜びを感じていた天海。そんな彼の視界の角に、信じられないものが見えていた。
「ティオス?」
過去の自分に押されている最大のライバルの姿が目に入ってしまった。それに驚いた彼は思わずそちらに視線を向ける。
「よそ見かよ!!」
「!!」
敵から目を切ったことにより炎が頬へと突き刺さる。それで再びそちらに意識を向けるが、雑念が脳裏に浮かんでいた。
(ティオスが負ける?バカな・・・そんなことはあり得ない!!)
肘打ち、膝蹴り、回し蹴り、あらゆる攻撃を繰り出す天海。それは確実にナツを捉えていく。それなのに・・・
「どうした?全然効かねぇぞ」
彼は傷だらけになりながらも、全然ダメージを受けているようには見えなかった。
(注意力が散漫になっているせいで急所を突けていなかったか。しかし・・・)
そうわ
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