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GATE ショッカー 彼の地にて、斯く戦えり
第17話 千堂の力 前編
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帰りの車内にて、レレイの頭の中は千堂のことでいっぱいだった。

千堂は私達、コダ村避難民をたまに変な目で見る。
それは故郷と家族を失った者に対する哀れみの目でもなければ、奇異の目でもない。
まるで逆境から立ち上がろうとする者を応援するときのような優しさの込もった目だ。

その目を向けられる度、彼が一体何を想い、何を感じているのか知りたくなる。
最初はただの興味だった。相手は異世界から来た軍人。ただそれだけだった……はずなのに。

レレイは後悔していた。
もっと彼と…千堂と話していたかった、同じ空間にいたかった。
数週間後にまた会おうと彼は別れ際に言ったが正直、数週間も待てない。
いますぐにでも会いたい……。


そんなことを考えながら車窓の外を眺める。沿道には異世界からの客人を一目見ようと沢山の人だかりが出来ていた。
圧倒的な視線の数に最初こそ驚いたが千堂と別れた直後からずっとこんな調子だったため、もう慣れきってしまった。

そんな中、沿道の人々の中から一人の男が姿を見せた。
その男は大きめのゴルフバッグのような袋を肩に担いでいた、
ただの見物人にしてはどこか妙だった。
レレイは男を注視した。男は人影に隠れてこっそり袋から¨茶色の太い棒状のもの゙¨を取り出した。
それに見覚えがあった。オ・ンドゥルゴ基地に似たものがあった。確か『ロケットランチャー』とかいったはずだ。

そして男はさり気なく、ごく自然な動きでその先端をこちらに向けた。


レレイは男が何をしようとしているかやっと理解した。


その刹那―。


バシュッ!!!


男が何かを発射すると前方を進行していた戦闘員の乗った白バイが突如、爆発に見舞われ、そのまま路上に横転した。


不穏分子(テロリスト)だ!!!」

沿道にいた人々はパニックになり、散り散りに逃げ回る。制服の警官達は突然のことに慌てふためいた。逃げ惑う市民の波が警官の行動を邪魔した。
そのせいで警備に僅かな隙が生まれ、レレイ達の政府公用車の周囲の守りが緩くなってしまった。
そこにどこからともなく大型トラックが数台、白バイの車列に勢いよく突っ込んできた。辺りに金属やガラスが捻じ曲がる音が響き渡る。
さらにトラックの後方には灰色のワンボックスカーが一台、随伴していた。

「伏せてろ!!!」

公用車の助手席にいた増沢が叫ぶとレレイ達はサッと席にうずくまるようにして伏せた。


それぞれのトラックの荷台が開け放たれ、中から自動小銃を構えた四十〜五十人程の男達が飛び出してくる。
彼らは政府公用車を護る戦闘員達や警官隊に対して銃撃戦を開始した。


彼らの目的はただ1つ、「レレイ達の身柄を奪うこと」である。


「行け!!征服者
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