二月革命
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ましょう。もはや民心はゴールデンバウム朝を見放したのです。このうえは我々で事態を収拾し、新たな政府を立てるほかないでしょう。」
「しかしそれは……」
「できなければあのソヴィエトが政権を握るだけですぞ。そうなれば皇族は根絶やしにされ、我々は断頭台で処刑されることになるでしょう。旧時代の革命がどのような結果になったか知らないわけではありますまい?」
「……しかし宛はあるのですかな?」
「第1師団のロマノフスキー将軍とは昵懇の仲です。それに民衆受けの良いビョークルンド代表幹事にも協力を要請しましょう。彼ならソヴィエトのケレンスキー議長を説得できます。」
「わかりました。それでいきましょう。しかし……我々自身の手でゴールデンバウム朝を終わらせることになるとは……」
一連の騒乱について、議論を重ねた上院仮議長フランツ・フォン・マリーンドルフ伯爵と上院議員エーリッヒ=ヴァルデマー・グラーフ・フォン・エプレボリ伯爵は帝国の打倒を決断。
2月28日、ロマノフスキー中将、ビョークルンド代表幹事と共に12名の委員からなる国家臨時委員会を設置し政権の掌握を宣言、ソヴィエトに対し秩序を回復を呼びかけた。
3月1日、ケレンスキー議長提案に賛成、オーディン・ソヴィエトは臨時委員会に協力し、新政府樹立に参加することが決定された。もはやゴールデン朝銀河帝国は逃げ道を失ったのである。
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「陛下……」
「そう俯くな。黄金樹が倒れるという事はその程度の力だっただけのこと。」
「ですが!」
「もはや帝国の威光など何処にも存在しないのだ。敗北者は潔く舞台から降りるとしよう。」
「……かしこまりました。」
3月2日、国家臨時委員会とオーディン・ソヴィエトは帝政の廃止を宣言、リヒテンラーデ内閣の退陣と、皇帝フリードリヒ4世の退位を勧告した。勧告に応じた皇帝は退位を宣言、遂にルドルフ測位以来488年続いたゴールデンバウム朝銀河帝国は、ここに崩壊したのである。
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