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ちいさなしまのおはなし
てんしさまのおはなし
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まもっていたのです。
なかでもおきにいりだったのは、ちいさなあおいりゅうのこどもでした。
ちいさなあおいりゅうのいちぞくは、ながくいきられないしゅぞくでした。
それはきょうだいなちからをもっただいしょうでした。
でもそのことをけっしてうらんだり、なげいたりせずに、きょうというひをだいじにいきることをしっているいちぞくでした。
そのなかでも、いっとうげんきなこが、おんなのてんしさまのおきにいりでした。
そのこはいつもぼーるみたいにとびはねて、おなかいっぱいたべて、たくさんねて、そのひそのひをくいのないように、げんきにすごしていました。
おんなのてんしさまは、まいにちそのこをみていました。
そのこがげんきだと、てんしさまもえがおになりました。
がんばろうとおもえました。
へいわをまもるのはとてもたいへんだけれど、そのこがいきているせかいをまもるために、てんしさまはがんばりました。
ときどきおとこのてんしさまとけもののてんしさまも、いっしょにそのこをながめていました。

へいわでした。

へいわ、だったはずでした。

かみさまと、3にんのてんしさまが、へいわをたもっていたはずでした。


そのへいわは、みごとにくずれさってしまいました。


あるひ、そらのむこうからおそろしいものがやってきました。
それは、ざんぎゃくとよばれるものでした。
それは、ぼうりょくとよばれるものでした。
げかいにすむものたちは、みんなちからをあわせて、おいはらおうとしました。
しかしぼうりょくとざんぎゃくは、それをあざわらうかのように、かれらのいのちをいともかんたんにうばっていきました。
ざんぎゃくとぼうりょくは、かれらのいのちだけでなく、かれらのすまうばしょまで、むざんにもうばっていきました。
てんしさまは、さけびました。
てんしさまは、なげきました。
あざわらいながらうばっていくざんぎゃくとぼうりょくにいかり、かなしみました。
そして、かみさまにおねがいしました。

かみさま、かみさま、おねがいです。
どうかげかいにいくことをゆるしてください。
あのこたちを、たすけたいのです。

しかしかみさまは、うんとはいってくれませんでした。


やがてざんぎゃくとぼうりょくによって、すべてのいきものがしにたえてしまいました。
みどりいっぱいにひろがっていたもりも、おひさまをはんしゃしてきらめいていたうみも、いろとりどりにさいていたおはなも、このよでももっともうつくしいとおもっていたものが、すべてうばわれてしまいました。
てんしさまはなきました。
たくさんたくさんなきました。
だってもうないのです、てんしさまがめでていたものが、うつくしいとおもっていたものが、もうどこにもないのです。
おきいにいりのりゅう
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