暁 〜小説投稿サイト〜
ナイン・レコード
ちいさなしまのおはなし
てんしさまのおはなし
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んだけど……」
「……ヒカリは天使さんが好きなの?」

ずーっとなっちゃんのことを天使さんと言っているせいなのか、なっちゃんはそんなことをヒカリに問う。

「うん、好き!白い羽とか、綺麗な金色の髪とか」

実はヒカリ、お家には天使さんにまつわる絵本や本もいっぱいあったり、天使さんのイラストが描かれているとお母さんにねだって買ってもらったり、そのページだけもらって机や壁に飾ったりするぐらいには、天使モチーフのものが好きだったりする。
あんまり自己主張せずに、こっそりと1人で楽しむ程度なので、たぶんお兄ちゃんやクラスのお友達も気づいていない。
何気に鉛筆や筆箱にも天使さんのシールが貼ってあったりするのだけれど、自慢したり見て見てーってぐいぐい行く子じゃないので、誰も気づかないのである。
いつも一緒にいる大輔くんだけは気づいているようで、この前のお誕生日プレゼントでヒカリがこっそり集めているシリーズの、天使さんのぬいぐるみをくれた。
嬉しくて嬉しくて、夜寝る時のお供にしているほどだ。
それぐらいには、天使さんのことが好きだった。
誰にも言ったことがなかったのだけれど、何故か初めて会ったはずのなっちゃんと、パートナーのプロットモンには、すんなりと話せた。
お友達には恥ずかしくて言えなかったのに。

「そっか。でもアタシは天使さんじゃないの。ごめんね?」

その代わり、ってなっちゃんは笑った。
とっておきのお話を聞かせてあげる。

「とっておき?」
「そう、ヒカリが好きな、“てんしさまのおはなし”」



むかしむかし、あるところに3にんのてんしさまがおりました。
3にんのてんしさまはそれぞれ、おとこのひと、おんなのひと、けもののすがたをしておりましたが、すがたがちがうことなんかまったくきにしないぐらい、なかよしでした。
おとこのてんしさまは、せいぎとちつじょをつかさどり、せかいのへいわをたもっておりました。
けもののてんしさまは、かみさまとちせいのしゅごしゃといわれておりました。
そしておんなのてんしさまは、じひとじあいにみちあふれたてんしさまでした。

3にんは、いつもいっしょでした。
うれしいこともかなしいことも、いつも3にんでわけあっていました。

おんなのてんしさまには、まいにちにっかにしていることがありました。
それは、げかいのようすをのぞきみることでした。
みどりいっぱいにひろがったもり、おひさまをはんしゃしてきらめくうみ、いろとりどりにさくおはな、すべててんしさまがくらしているせかいにはないものでした。
そしてそこでくらすものたちの、いきいきとしたかおは、このよでもっともうつくしいとおもっていました。
じひとじあいのてんしさまは、げかいでくらすいきものを、いつもやさしいめでみ
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