ちいさなしまのおはなし
てんしさまのおはなし
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っちゃん!」
『っ、ヒカリッ!』
ヒカリはプロットモンを抱えたままなっちゃんの下へと走る。
だがヒカリが駆け付けるよりも、ドリモゲモンがなっちゃんを踏みつぶす方が早い。
間に合わない、でもヒカリは止まる気配がない。
このままだとヒカリまで……!
プロットモンの心の奥から、何かが沸き上がってくる。
『うあああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!』
プロットモンが悲痛の籠った咆哮を上げると、ヒカリの腰についているデジヴァイスから、眩く強い光が漏れる。
その光は、ヒカリが抱いていたプロットモンを包み込んだ。
眩い光が、薄暗い穴の中を強く照らしつける。
その眩さに、ヒカリとなっちゃんは咄嗟に目を瞑り、ドリモゲモンはもだえ苦しみながらその動きを止めた。
『プロットモン進化─!』
0と1に変換された光によって、プロットモンのデータが書き換えられていく。
くるくると回転しながら、光に包まれたプロットモンの姿形は、四つ足から二足歩行に変化した。
『テイルモン!』
見た目はまるで白い猫のようだった。
白と紫の縞模様の尻尾はその体長より長く、金色のリングが通っていた。
手には鋭い爪が生えた手袋をはめている。
念願の成熟期に進化したが、しかしその大きさは、ヒカリの腰ほどしかない。
プロットモンと比べれば大きいものの、ドリモゲモン相手ではかなり心許なかった。
ヒカリとなっちゃんの表情は困惑に彩られている。
しかしプロットモン、否、テイルモンの表情は自信に満ち溢れていた。
光が収まり、苦しんでいたドリモゲモンは、首を振ってチカチカする視界を振り払う。
再び咆哮を上げながら突進してこようとしたので、なっちゃんは我に返った。
プロットモンが進化したことに目を奪われていたので、自分が転んだことをすっかり忘れていたのだ。
危機はまだ去ったわけではない。
しかしその危機がなっちゃんに牙をむくことはなかった。
『はあっ!!』
テイルモンの、気合の籠った声。
そして、ヒカリとなっちゃんは信じられないものを見る。
小さな身体を駆使して、頭部のドリルが届かない懐に潜り込んだテイルモンは、あろうことかその巨体を持ち上げるようにアッパーをかましたのである。
吹っ飛ぶ巨体。もちろん、ヒカリとなっちゃんに被害がないように、位置を調節して。
ずぅん、と地響きを立てながら落下して、ひっくり返るドリモゲモン。
すごい、ってヒカリはテイルモンの方に顔を向けるが、やはり無茶をしたせいなのか、少々息が上がっていた。
「テイルモン……!」
『平気よ、これぐらい!それより2人とも、もう少し下がってて!』
テイルモンの目はまだやる気に満ちている。
ヒカリとなっちゃ
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