ちいさなしまのおはなし
てんしさまのおはなし
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戯好きではあるものの、自ら好んで相手に戦闘を吹っ掛けるようなデジモンではない。
もしかしたらただ移動中で、偶然ヒカリ達がいた場所を刺激してしまっただけなのかもしれない。
そうであってほしい、とプロットモンはドリモゲモンを睨みつけながら必死に祈った。
しかしそんなプロットモンの願いは、呆気なく壊されてしまう。
『グルァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』
深く削られた穴の中で、ドリモゲモンの咆哮が響き渡る。
ドリルが高速回転して、ヒカリとなっちゃんに向かって突進してきた。
『危ない!』
プロットモンが叫ぶ。
唖然としていたなっちゃんが我に返り、ヒカリを押し倒すように庇って、ドリモゲモンの突進を避ける。
岩が削れ、崩れる音。
どさり、と2人は倒れこみ、急いで起き上がる。
ドリモゲモンはゆっくりとヒカリ達に顔を向け、そして再び突進してくる。
なっちゃんはヒカリの手を掴んで、その場から走った。
『このっ……パピーハウリング!!』
ヒカリとなっちゃんから引き離そうと、プロットモンは超音波をドリモゲモンにぶつける。
しかし成長期と成熟期では力の差が歴然としているし、何より身体の大きさが違いすぎる。
プロットモンが発した超音波は、まるで巨人にたかる蝿のように無力だった。
『グルルルル……!』
ドリモゲモンの目の焦点が合っていない。
しかしドリモゲモンはそれでも真っすぐヒカリとなっちゃんから狙いを外さない。
どす、どす、どす、と地響きを立てながらヒカリとなっちゃんを追いかけ回す。
『パピーハウリング!パピーハウリング!!』
プロットモンは何度も技を放つけれど、ドリモゲモンは全く見向きもしない。
ならばとプロットモンはドリモゲモンに体当たりをしに行ったが、身体の大きさの差がありすぎて、プロットモンの方が吹っ飛ばされてしまった。
「プロットモン!」
「あ、ヒカリ!ダメ!」
吹っ飛ばされて転がっていったプロットモンを見たヒカリは、なっちゃんの手を振りほどいてプロットモンの下へと走る。
驚いたなっちゃんも、ヒカリを追いかけて走った。
必然的に、ヒカリとなっちゃんを追いかけていたドリモゲモンも、進路を変更する。
「プロットモン……!」
「ヒカリッ!危ない!」
うう、って呻いているプロットモンを優しく抱き上げ、今にも泣きそうな表情を見せながらプロットモンを見下ろす。
なっちゃんが声を張り上げる。
は、って反射的になっちゃんの方を振り返ると、なっちゃんの背後からドリモゲモンが迫ってきていた。
「……きゃあっ!」
足場が不安定の中で走っていたせいで、なっちゃんは足を取られて転んでしまった。
「な
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