ちいさなしまのおはなし
てんしさまのおはなし
[11/18]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
なって立ち上がった。
まるで地震のようで、ヒカリは学校の避難訓練を思いだす。
確か先生は、地震があった時はまず慌てないでって言っていた。
建物の中で地震があったときは机の下に隠れなさいって。
お外にいるときは、崩れそうなものから離れて、その場でしゃがんで揺れが収まるまでじっとしていなさい。
そうだ、先生は確かそう言っていた。
ヒカリはなっちゃんの手を掴んで、頭を抱えながらその場にしゃがみこんだ。
なっちゃんはびっくりした顔をしていたけれど、ヒカリが必死の形相だったので、何も言わずにヒカリの真似をしてその場にしゃがみこんだ。
地面が揺れる。その上に立っている木々が葉を激しく擦りあわせて、ぐらぐらと震えている。
ピシリ
固いものに亀裂が入ったような音。
ピシ、ピシピシピシ
ヒカリとなっちゃん、そしてプロットモンに向かって、地面に雷が走ったような亀裂が走ってくる。
このままではまずいと思ったヒカリは、なっちゃんの手を取ってその場から逃げようとしたが、揺れはまだ続いており、立ち上がることが出来ない。
ぴし……
あ、と言ったのは誰だったか。
地面に走った亀裂がヒカリとなっちゃんとプロットモンの目の前まで辿り着くと、
がらり
2人と1体の真下の地面が崩れて、ぽっかりとした穴が開いた。
重力に逆らうことができない、無力な人間の女の子達はそのまま穴の中に落下する。
「「きゃぁあああああああああああああああああっ!!」」
2人の悲鳴が二重奏のように響き渡る。
穴は思っていたよりも浅かったが、それでもヒカリとなっちゃんが2人で肩車をしても届かないぐらいには深い。
広さは半径50メートルほど、と割と広めだった。
掘られた穴の中は少々デコボコで、歩きづらい。
一体どうして、って混乱するヒカリとなっちゃんを、更なる危機が襲う。
大きな岩や細かい欠片になって崩れた岩壁の向こうに、落下して尻餅をついて座り込んでいるヒカリとなっちゃんとプロットモンは見た。
大きな、角。
高速で回転して、砂埃と崩れた岩の中から姿を現したのは、大きな角が鼻先から生えた、四つ足のデジモンだった。
短い体毛は、上半分が紫色で、下が白くなっている。
どすん、どすん、と地響きを立てながら岩壁に開いた穴から、ぬうっと出てきたデジモンに、ヒカリとなっちゃんは声を失う。
『ドリモゲモン!?』
プロットモンだけは、冷静だった。
デジモンとして、パートナーとして、ヒカリを守らなければならないのだ、取り乱している暇などない。
プロットモンは地面を踏みしめるように踏ん張り、頭部に角を持ったデジモン……ドリモゲモンを睨みつける。
ドリモゲモンは普段、地中に住んでいる大人しい性格のデジモンである。
悪
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ