暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーディロード〜MASKED RIDER DELOAD〜
第3部〜希望と絶望の宝石〜
第5話『望みと我欲を間違えないほうがいい』
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かし、目の前に現れた人影を見てキバは止まる。
「待ちなさい!あんた、あの転校生の仲間だろ!」
人影の正体、さやかはキバを止める。
「邪魔しないでもらいたい。今ファントムを逃がせば、どれだけ被害が広がるかわからない。」
「それが何!あんたも、ファントムの魔力が狙いでしょ!」
「美樹さんは勘違いをしている。僕はこの世界の人間ではない。この世界にファントムが現れるということは、言わば異常事態だ。僕はその異変を解決するためにこの世界に来た。本当なら、魔導師である僕の妻に任せたかったが、この世界の魔法少女は何かと攻撃的だから、危険だと認識して僕が来た。」
「当然でしょ!ファントムを倒さないと、ソウルジェムが!」
「そのソウルジェムが何か知らないのに、そんなのことを言わない方がいい。」
「だったら、魔法少女になれば言ってもいいってことだよね。」
「そうではない。とにかく、美樹さんも今の幸せを失いたくないなら、この件は不幸な事件だったと思って忘れてほしい。僕も魔法少女と戦いたくはない。なるべくならこの世界の歯車がズレる前に事件を解決して魔女が現れた世界に向かいたい。」
「ちょっと、魔女が現れている世界ってどういうこと!?」
「言葉通りの意味です。本来ファントムのいない世界にファントムが現れたとなれば、ファントムのいた世界に魔女が現れてもおかしいことではない。そちらの方は妻が現地の協力者と解決に向かっているはずだ。」
「はずってどういうこと!?」
「本来、捜査の情報は話してはいけないが、美樹さんの安全のためにも言うしかないか。本来ファントムのいた世界、『仮面ライダーウィザード』の世界にいる妻と連絡を取ろうとしても、向こうの世界に何らかの通信妨害の結界が張られているらしく、連携がとれなくなっている。どうやら黒幕は、二つの世界で情報共有されることが不都合らしい。敵はそれくらい危険な奴だ。だから、この件は僕に任せてもらえないか?」
「そう言って、あの転校生にファントムの魔力をあげたいだけでしょ?」
「彼女は最低限、この世界の異常事態にいち早く気づいて行動していた。僕としては理論的に考えることの出来る現地協力者という認識だ。」
「どうだか。なら私が魔法少女になったら、私と協力してくれる?」
「何を言っているんだ。少しは自分の身体を大切にしろ!」
「ほら、やっぱりそう言う。言っとくけど、私は本気で魔法少女になるから。」
「そうか。それなら一つだけ忠告しておく。願いと我欲を間違えないほうがいい。」
「何よそれ。」
「それが打算の無い純粋な願いなら自分を見失わない。だけど、心のどこかに少しでも願い以上の打算があれば、その打算がズレた時に人の心は簡単に折れる。だから」
「それでも、私は叶えたい願いがあるの。邪魔しないで!」
さやかはキバの言葉を
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