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ナイン・レコード
ちいさなしまのおはなし
つかの間の休息
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つ光子郎が、デジヴァイスを手に取った。

だがピンチは連続してやってくるものである。

ピヨモンがバードラモンに、テントモンがカブテリモンに進化し、空へと飛翔したと同時に、途切れた道の向こうから咆哮が聞こえた。
振り返ると、そこにいたのはデジモン達が揃って大人しいと評価していた、モノクロモンであった。
大きく跳躍して途切れた道を渡り、子ども達に向かって突進してくる。
気性の荒いデジモンが住んでいるはずのムゲンマウンテンで、登山中に1体もデジモン達が襲ってこなかった。
そして下山の際に、ここにいるはずのないクワガーモンと、大人しいはずのモノクロモンが襲ってきた。
嫌な予感が的中した、と治は苦い表情を浮かべる。


子ども達はパートナー達を進化させるべく、デジヴァイスを手に取る。
最年少の3人とそのパートナー達は、まだ進化できないので丈とミミによって引っ張られ、都合よく鎮座していた大岩の陰に押しやられた。
バードラモンとカブテリモンがクワガーモンを追い払うように追い立てるが、クワガーモンは去る気配がない。
それどころか、大きく旋回してバードラモンに向かって頭部のハサミを鳴らしながら向かってきた。
何とか躱すと、カブテリモンが助太刀に入り、電撃の玉をクワガーモンに叩きつけてやる。
地上では、突進してきて止まる気配のないモノクロモンを、グレイモンが押しとどめていた。
ガルルモンとトゲモンは、背後にいる子ども達を守るためにグレイモンの後ろで控えていた。
イッカクモンは空で戦っているバードラモンとカブテリモンの援護である。

『いい加減、どっか行きなさい!』

バードラモンが苛立たし気に叫び、羽にエネルギーを集めてクワガーモンに火の玉の雨を浴びせてやる。
もうあの時の、クワガーモンに怯えて隠れてやり過ごしていた、力のないデジモンではない。
クワガーモンと同格か、それ以上の体格と力を得たのだ、負ける気はしない。
実際、バードラモンが放った火の玉の雨はクワガーモンに直撃したし、グレイモンもモノクロモンを押している。


そのまま追い払っちまえ、と太一がグレイモンを鼓舞した時であった。
彼らの頭上で突如として鳴り響いた轟音。次いで、ガラガラと何か硬くて重いものが崩れる音。
は、と子ども達が一斉に上を向くと、崩れた岩が斜面を転がり落ちてくるのが見えた。
ガルルモンとイッカクモンが技を放って、転がってきた岩を粉砕する。
地面が揺れ、子ども達は岩にしがみついたり、しゃがんだりして何とか耐える。
うわ、とブイモンがたまらずバランスを崩し、それを見た丈は……思わず手を伸ばしてしまった。

『あ!』
『ジョウ、ダメ!!』

丈が伸ばした手を見たパタモンとプロットモンが止めるが、もう遅い。
丈の手は、ブイモンの
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