ちいさなしまのおはなし
つかの間の休息
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は両腕を抱きしめるように擦って、身震いする。
ブイモン達は、首を傾げた。
視線を感じたのなら、まず真っ先にデジモン達が気づくはずだ。
子ども達を狙っているのなら、猶更。
しかしブイモン達は特に異変のようなものは察知していない。
ブイモンはあの時、弱点である触れ合いをしてしまって、パニックに陥ってそれどころではなかったのだが、それでももし大輔を狙う何かがあれば、絶対に分かったはずだ。
しかしブイモン達だけでなく、疲れていたアグモン達も特に何も感じた様子はなかった。
どうして大輔達だけ?もしかしてデジモンには分からないけれど、子ども達には感じる何かがあったのだろうか。
しかし大輔は首を振る。
「たぶん、俺たちだけだと思う。だって太一さん達も、何も言わなかったもんな」
「うん……お兄ちゃん達も何か感じてたら、あんなにのんびりしてなかったと思う……」
リーダーとして子ども達を引っ張り始めている太一、遅れている子がいないよう周りを見てくれる治、そんな2人をフォローしている空。
上級生として下級生を守らなければと自覚しているリーダー格が3人もいて、異変に気付かないはずがない。
もしも誰かに見られていると気づいたら、少なくとも治や空が早く降りようと急かしていたはずだ。
しかし実際に急かしていたのはミミ、それも大輔達が異変を感じて挙動不審になっているのを見ての判断だ。
その視線に気づいていたのは、大輔達2年生だけということになる。
だから大輔は、誰にも言うなとブイモンに念を押したのだ。
太一達の様子を見て、異変を察知したのは自分だけだということを理解したから。
「あそこから離れたら、誰かに見られてるって感じは消えたんだけど……このお家を見た時に、また変な感じがしたんだ」
『誰かに見られてるって?』
「それだけじゃない、の」
しゃがんだヒカリは、プロットモンの前足を掴んで、持ち上げるように自分の膝に置く。
ぎゅ、と縋るようにプロットモンの前足を握った。
「……このお家、何かちぐはぐ?っていうのかな?こう……とっても優しい顔をしているんだけど、言葉が怒ってる人、みたいな……」
「あー!そう!そんな感じだ!にこにこしてんのに、すっげー怖いの!お姉ちゃんみたい!」
「大輔くん……」
賢が的確に表現してくれたお陰で、大輔がすっきりしたーという表情を浮かべていたが、最後の言葉は余計だったのでは、とヒカリは苦笑する。
どうかジュンちゃんにばれませんように、と願わずにはいられなかった。
「でもブイモン、変な感じはしないって言っただろ?太一さん達も全然、何にも感じてないみたいで平気でお家入っちまうし……」
太一達が入った途端に、その“変な感じ”は消えてしまったので、ぼーっと突っ立っていることも入りたくな
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