暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第256話「攻略作戦」
[2/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
また分霊。だからこちらから攻め入る訳ね」

「ちなみに、僕が神界で足止めした際のイリスも分霊だった。いっぺんに出せる数は少ないが、出せる回数は無制限だ。分霊を使って何度でもイリスは攻めてくるだろうな」

 言わば、本体さえ倒されなければ負けはないのだ。
 だから分霊を送ってくるのだろうと、椿は解釈した。

「本当、規格外ね。いくら神でも、何度も分霊を生み出してそれを倒されれば、力は削がれていくというのに……神界の神はそうじゃないとはね」

「神と名乗ってはいるが……実際は、便宜上そう名乗っているだけの別の存在だ。所詮は、他の世界の名称を利用しているだけに過ぎないからな」

 概念や法則そのものが形を取っている存在なだけで、“神”ではない。
 だが、神に近いからこそ、神界の神本人もその名称を使っているだけなのだ。

「神にしろ、神でないにしろ……そんな規格外の相手に勝算があるのね?」

「当然です。……尤も、最低条件として全員が全員の“可能性”を信じ、そして拓く必要がありますけどね」

 リンディの問いに優輝は力強く答える。

「僕の“可能性の性質”は、これまで共にいた事で全員に浸透している。その影響を上手く使えば、神界の神だろうと倒せるはずだ」

 “そしてもう一つ”と続け、優輝はもう一つの勝算を言う。

「人の持つ千差万別の“性質”及び“領域”だからこそ、相手の“領域”を砕く事が可能になる場合がある。……本来、人の“領域”は神界の存在には及ばない。だけど、それは同じ分野で戦った場合だ」

「……つまり、相手の弱点を突く……?」

「その通りだ司。例えば炎と水の“領域”が戦えば、どうあっても水の方が勝つ。余程自力の差がない限りな。結局は、相性なんだ」

 相性さえ良ければ、人間が神界の神に勝つ事も可能なのだ。
 そして、それを既に成し遂げた人物がここにはいる。

「その最たる例が……帝、お前だ」

「……やっぱり、俺なのか。……でも、俺の場合相性どころかごり押していたはずなんだが……相性なんてあったのか?」

「あー、人の“領域”について説明不足だったな」

 そう言って、優輝はホワイトボードに図を描く。
 人と神界の神。そしてそれぞれの“領域”だ。

「神界の存在の場合、この“領域”の形は決して変わらない。“性質”によっては表面上は変えられるだろうが、中心部分は不変だ。その“領域”が変わってしまえば、もう別の存在となってしまうからな」

 “領域”を簡単な円で表す。
 中心にある円は決して形を変えず、変えられるとしてもその外にあるもう一つの円……つまり表面上のモノだけなのだ。

「僕も優奈も例外じゃない。人に転生した事で、人と同じような“領域”を持った。……でも、
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ