帝国崩壊の序曲
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塞に多大な損害を与えることに成功。更に別動隊が合流に成功した事により優勢となる。
しかし、背後に潜伏していた同盟軍が帝国側の回廊出入口の封鎖に成功すると戦局は一変。帝国軍は同盟軍の包囲攻撃を受け、大損害を被る。
戦力の9割を失ったことにより、撤退の決断を下したミュッケンベルガー元帥は、艦隊脱出の突破口を開くため要塞による特攻を敢行し回廊出入口を封鎖していた同盟軍第4艦隊と第6艦隊を巻き添えにして自爆。残存艦隊はメルカッツ上級大将に率いられ撤退した。
また同盟軍も二個艦隊が壊滅しイゼルローン要塞が半壊するなど追撃不可能な被害を被っていたため追撃は行わず、ここに第7次イゼルローン攻防戦は終結した。
この戦いにより帝国軍はミュッケンベルガー元帥以下、総参謀長グライフス大将、シュトゥックハウゼン大将、ゼークト大将等の艦隊司令部全員が戦死。またウォルフガング・ミッターマイヤー中将、オスカー・フォン・ロイエンタール中将、カール・グスタフ・ケンプ小将、カール・ロベルト・シュタインメッツ少将、コルネリアス・ルッツ少将等、多くの将来有望な若手将官が次々と戦死したことにより、帝国正規軍全軍の3分の1の戦力を失った事と合わさって、帝国軍の損害は、あの第2次ティアマト会戦の『軍務省にとって涙すべき40分間』を上回ると言われた。
一方同盟軍は、パストーレ中将とムーア中将の両艦隊司令官が戦死、さらに二個艦隊2万隻以上を失い、イゼルローン要塞も半壊するなど、損害は大きかったが、その比率は帝国軍の半分以下であり、結果を見れば同盟軍の大勝利と言えるだろう。
戦後、帝国軍首脳部で作戦に反対したエーレンベルク元帥は留任、作賛成したシュタインホフ元帥とクラーゼン元帥は辞任、後任には撤退戦の功で元帥に昇進したメルカッツが統帥本部長に就任、宇宙艦隊司令長官には上級大将に昇進したシュターデンが就任、クラーゼン元帥の幕僚総監は廃止されることとなり、帝国軍は立て直しを迫られることとなった。
だが、帝国貴族の中で中央に不満を持つ者が奸賊打倒を公言し、帝国上院議長オットー・フォン・ブラウンシュヴァイク公爵と副議長ウィルヘルム・フォン・リッテンハイム3世侯爵が不穏な動きを見せ、各地で革命を標榜した民衆の暴動が収まらない中、ゴールデンバウム朝銀河帝国という国家そのものが崩壊しようとしていたのであった。
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