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ペルソナ3 ファタ・モルガーナの島(改定版)
【 起 】
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ルガーナか?」美鶴は助け舟を出す。
「そう、それから取って、モルガーナ・・・モルガナっていう名前はどう?」
問われた『猫もどき』は、一瞬キョトンとして、それからニヤリと笑ってうなずいた。
「いいぜ。気に入った。」
モルガナはもともと人名でもある。悪くないネーミングだ。
「よし。それでは当面の間、モルガナと呼ばせてもらおう。」
美鶴がとりあえず話をまとめた。

島の奥に広がる森の手前でひとまず腰を落ち着けられそうな場所を見つけると、それぞれの事情を話し合うことにした。
特別課外活動部の一行は、影時間とタルタロス、そしてシャドウについてモルガナに説明した。モルガナは本当に初耳だったらしく、その一つ一つにひどく驚いた反応をしてみせた。
一方、モルガナの説明によると、メメントスという人の意識を共有した異世界があり、その中でも特に歪んだ心の持ち主は独自の異空間を作り出すらしい。
「そういうヤツは大概、歪んだ心が生み出した手前勝手な宮殿で、王様になりきっている。」
「人の心の中にあるパレスというわけか。」美鶴が言った。
「いいネーミングだな。まさに歪んだ心のパレスだ。そこではその人間の歪んだ認知が実体化している。今いるこの場所も、島だけではなく、周りに見える景色から空の星まで含めて全てパレスなのさ。誰かがそのタルタロスとやらがあるこの島を、こういう風に認知しているんだろう。」
「誰一人いない無人の島・・・そんな風にか。」
美鶴が考えつつそうつぶやいた。
「なんというか・・・途方もない話だな。」真田がため息をつく。
「歪んだ認知かあ・・・なんだか難しい話になってきたね。」
ゆかり が首をかしげて『彼』に同意を求め、『彼』は「そうだね。」と静かにうなずいた。
「しかし、俺達はどうしてそんなところに迷い込んだんだ?」
「それはワガハイにもわからない。ワガハイは元の姿と記憶を取り戻すために、メメントスを探し回っているんだ。そうしてこのパレスにもやってきた。」
「それなのに、どうしてタルタロスの中に倒れてたの?」ゆかり が不思議そうに言う。
「このパレスを探索している時、いきなりパレスが崩壊し始めたんだ。慌てて脱出しようとしたんだが・・・その後のことはさっぱりだ。」
「この異世界から弾き飛ばされて、タルタロスに出現したというわけか。しかし崩壊したというのなら、なぜ今この場所が存在してる。」
美鶴が不思議そうに問いかける。
「さあな。そこはワガハイにも見当がつかない。」
モルガナは一度考え込むように目を閉じて、それから改めて全員を見回して口を開いた。
「このパレスの主はこの島の中央にいる。そこに答えがあるはずだ。・・・一緒に行って確かめてみるか?」
モルガナが森の奥を指さした。



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