第六十三話 悪霊の滝
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で降りるには、狭い道を降って行かなければならない。馬車をここにおいて負傷者は背負っていこう」
「了解」
アワサに先導された民兵達は負傷者を背負って狭い道を降りていった。
「足元に注意して。滝のすぐ側だから濡れてて滑りやすいわ」
「了解だ。みんな聞いたな? せっかく拾った命だ些細なミスで落とす事は無いように」
「了解です」
ヒューゴらは恐る恐る下って行き、眠るアニエスも民兵に背負われ、下へ下へと降りていった。
途中、少ない陸地を利用した畑で農作業をする女達が見えた。
「農作業をしているのは女だけのようだな」
「男はみんな戦士として務めているからね」
「そういうキミは、農作業せずに戦士をしていて良いの?」
「……『杖』の扱いや馬の扱いも他の戦士には負けないわ」
「……失言だったかな?」
「構いはしないわ。よく言われることだから」
などとデヴィットとアワサが世話話をしている内に本拠地に着いた。
……
「ありがとう、皆さんのお陰で助かりました。厚かましいと思われますが、負傷者を寝かせる為に、何処か場所を提供して欲しいのですが」
デヴィットがお礼の言葉を言うと、アニエスら負傷者を寝かせる場所を用意するよう要請した。
「少し川側に下った所に空き家が有るから、負傷者はそこに寝かせて、場所は……そうね、先客に案内させるわ」
「先客?」
「あの人達の事よ」
アワサが指差す方には、消息不明になったシュヴルーズら地質調査隊の面々が、驚いた顔で捜索隊を見ていた。
「あ、ミス・シュヴルーズ!!」
「あの人達は、あんた達みたいに森の中で襲われていたのを助け出して、ここまで連れて来たのよ」
「そうだったんですか……ミス・アワサ。一度のみならず二度も救っていただき有難うございます。マクシミリアン総督に成り代わってお礼を言わせて下さい」
デヴィットは深々と頭を下げた。
「止してよ。たまたま襲われていた所に、出くわしただけ。それよりも、デガナヴィダに会わせるわ」
「確か反乱の長でしたな。お礼諸々、情報交換がしたい、是非会わせて下さい」
「分かったわ、着いてきて」
そう言って、アワサは家屋の中でも最も大きな家へ向かった。
「ヒューゴは、地質調査隊と一緒に負傷者を頼む。ジャックを俺に着いて来てくれ」
「了解」
「また、除け者ですか? はあ……分かりましたよ」
「頼んだ」
愚痴を言いながらもヒューゴは、シュヴルーズの所へ全速力で走っていった。
……
デヴィットとジャックは、アワサに付き添われ、リーダーのデガナヴィダが待つ家に入った。
家の中は閑散としていて家具
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