十九話
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ておき、宮崎は自分の仕事を頼む」
真名が手に持つのはスナイパーライフルだ。これは彼女が元々持っていた物ではなく、ネギとの仮契約で現れたアーティファクトだ。時間が無かったため名称はまだ不明だが、効果は既に分かっている。
あらゆる銃へと形を変えることができ、魔力や気を弾丸にすることができる。魔力のストックが三つほどついていたりもしたが、読心や破魔に比べると些かシンプルかつ味気ない能力だ。
だが、このアーティファクトにはもう一つ利点があった。それは……
「右手の上腕、払い落しです!」
「了解だ」
豪! と大きな音を立てて放たれた巨大な弾丸。とてもライフルから放たれたとは思えぬ弾丸は刹那めがけて放たれたスクナの腕へと直撃。腕の軌道を僅かに逸らせ、刹那の回避が最小限で済むようにした。
これが、利点。込められる魔力に上限が無い、だ。それで利点? と思うなかれ。彼女のマスターはネギ・スプリングフィールドだ。極東一であるこのかには及ばないものの、その魔力量は膨大。しかも魔法では無く純粋に魔力を弾丸としているためロスも少ない。
「次は右下腕と左上腕で挟み込むように!」
「了解」
今度は最速で二つの弾丸を放つ。大威力の弾丸を放った後でもインターバルが殆どないことも、利点と言えば利点だろう。この武器をもって、彼女は姫を救わんとする剣士をサポートする。
刹那は白き翼をはためかせ夜空を駆けていた。目指すは囚われし姫、このか。フェイトはネギが上手く引き離し、スクナの攻撃は真名の狙撃のおかげで軌道がそれる。それるといっても十全ではないが、それでも今の刹那には充分だった。そして、ついに彼女はスクナの腕を潜りぬけ、敵と対峙する。
「さぁ、このちゃんを返してもらうぞ!」
「まさか烏族とのハーフやったとわ……ええい! 猿鬼! 熊鬼!」
天ヶ崎の前鬼と後鬼である猿と熊の式が刹那へと襲いかかる。だが、今の刹那には役不足だった。神鳴流の技を使うことなく交差するその一瞬で二体を切り伏せる。
「な! そんな馬鹿な!」
「覚悟!」
愛刀、夕凪を振りかぶり一閃。術者である天ヶ崎は一切反応できず、その意識を断たれた。
「ん……せっ、ちゃん?」
「このちゃん……」
「背中……キレーなはね。なんや天使みたいやなー」
姫の救出は完了した。これで、気遣うものは何もない。それはつまり……
――ようやく、私の出番か
最強の登場を意味する。
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