十九話
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れていたフェイトの蹴りがネギに直撃する。一度入ってしまうと方向転換などが出来ない瞬動中であったが故に、ネギは精々障壁を強化する程度の対応しかとることが出来なかった。
「っぐ、近衛は、どこだ」
「それは……」
フェイトが律義にもネギの問いに答えようとした時、天へと光が伸びた。その光の発信源は、先ほどこのかの姿をした式が乗せられていた祭壇、その下だ。
「やった! ついにやった! スクナの復活や!」
天へと昇る光の中に、巨大な鬼の姿が現れる。ここに、リョウメンスクナノカミが復活をはたした。
「あれは!」
その光は後残り数体の化生を滅しようとしていた刹那たちにも見えていた。間に合わなかった、という絶望が刹那たちの身を支配する。
「センパーイ、そんなよそ見をしとってええんですか!」
「っくぅ!?」
スクナが復活した所で眼中にない月詠。先ほどまでと変わらぬ苛烈さで刹那を攻め立てる。刹那も咄嗟に応戦するが、やはり集中力を欠いているのは隠しようがなかった。
「刹那! 出し惜しみしてる暇はないぞ!」
今この場にいる中で最も経験豊富な真名は状況のまずさを誰よりも理解していた。スクナが復活した今、このかを安易に取り返すことはできなくなったのだ。敵がスクナを僕にしようと画策しているのならば、そのコントロールを得るためにこのかを使うだろう。そのため、下手にこのかを取り返すということはスクナを本能のままに暴れさせることになる。皮肉なことだが、現在においてはこのかが敵に捕まっていることで被害が抑えられる形になっている。このかを取り戻すのなら、スクナを一時的にでも封印、または滅することが必要なのだ。
「分かっている! 月詠、悪いがお前の相手をしている暇はなくなった!」
「そういうわけだ。悪いが、早々に終わらせてもらう」
――アデアット!
刹那と真名、二人の手に仮契約の証が顕現した。
スクナの復活。それは、ネギ達にとって敗北に等しい出来事だ。まだはっきりとせぬ発光体であるとはいえ、その力は想像を絶するものがある。
これは自分だけでは対処できぬと早々に判断したネギは、まず己の従者を召喚した。
「無事か?」
「あ、あれ?」
「急に景色が……」
魔法を今日初めて知った二人は突然の召喚にキョトンとしているが今はそれを相手にしている暇はなかった。従者の召喚が完了したのを確認するとネギは次いで懐から携帯を取り出した。電話帳から選ぶのはこの場を逆転できる唯一の一手。
「緊急事態だ。すぐに来てくれ」
『そこまで急をようするのですか?』
「ああ。力を見られたくない奴がいる」
『分かりました。すぐに向かいま
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