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ナイン・レコード
ちいさなしまのおはなし
おもちゃの町
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ンで、もんざえモンを探して、何とかみんなを戻してもらうようにお話してみようと思うの。でもアグモン達から聞いた様子だと、お話聞いてもらえそうにないかもしれないでしょ?そうなったら危ないから、みんなはここで待っててくれる?」
「だ、だったら俺も……」
「大輔くんはここでブイモン達と一緒にヒカリちゃんと賢くんを見ててあげて。2人とも、お兄ちゃんがいなくなっちゃうかもって不安がってるから、一緒にいてあげてほしいの。大輔くんだって、お姉さんがいなくなるかもって考えたら、怖いでしょ?そういうの分かってあげられるのは、大輔くんだけだから……ね?」

ミミは一人っ子だ。だからお姉ちゃんの気持ちも、妹の気持ちも分からない。
それでも、やれることがある。やらなければならないことがある。
でも、となおも食い下がる大輔に、ミミはにっこり微笑んだ。

「だーいじょうぶ!絶対何とかするから!ね?」
『……そうよ、ダイスケ。アタシがついてるから、ミミの心配はいらないわ。ヒカリとケンを慰めてあげて。パタモン、プロットモン、ブイモン、ダイスケ達をお願いね?』
『パルモン……』

ミミの真意を理解したパルモンも、大輔達を安心させるように笑いながら、そう言った。
最年少の3人をここに残して、単身でもんざえモンに挑むのは無謀なことであるのは重々承知している。
もしもミミに何かあれば、今度は彼らが頑張らなくてはならないだろう、ということも。
それでも。

「いーい?誰が来てもここを開けちゃダメ。もしもアタシ達が出てった後にもんざえモンが来たら、さっきみたいにちゃんと隠れるのよ。パタモン、周りを警戒して何か聞こえたらちゃんと知らせてあげてね」
『任せて!』
『じゃあ俺、この鍵壊せないか確かめてみるよ!』
「ええ。でもあんまり大きな音は立てないようにね。それじゃ、行ってきまーす!」

いってらっしゃーい!って最年少達に見送られたミミとパルモンは、来るなら来いと言わんばかりに道の真ん中を堂々と歩いた。
相手は完全体。まだ進化できないパルモンでは心許ないけれど、それでも誰かがやらなければならないのだ。
1番年上の自分が、やらなければ。

『……まさかミミがあんなこと言い出すなんてね』

ちょっと見直した、という言葉は心にしまっておいた。
出会ったばかりのころは、ずっと待ち望んでいたパートナーではあったけれど、泣き喚いて我儘を言って、こんな子とこれから先上手くやっていけるのかなって心配になったものだが、それでも下級生の子達を宥めようと必死になっていた姿は、間違いなく上級生のものだった。
どちらかと言えば上級生達が全て決めるのを後ろで黙って見ていて、決定されたことにははーいって従うような、受け身の子である。
興味があること以外、自分からやるってあんま
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