暁 〜小説投稿サイト〜
ナイン・レコード
ちいさなしまのおはなし
おもちゃの町
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日戦ったアンドロモンに勝てたのは、運が良かったのだ。
ただ相手を攻めるだけでなく、相手の弱点を突いて戦うという賢い戦い方をしたからである。
しかし昨日はアンドロモンが黒い歯車でおかしくなったから戦うことになっただけで、もんざえモンは悪いデジモンではない。
おもちゃ型のもんざえモンは、おもちゃを愛し、おもちゃに愛されるデジモンで、おもちゃの町というところで町長をしているらしい。
基本的には危害は加えてこないはずである、というのがパルモン談だ。
自信なさげなのは、パルモン達は情報としてもんざえモンのことは知っているけれど、ミミ達を待っていた最初の森から殆ど出たことがなかったし、こんな遠いところまで来たこともなかった。
だからもんざえモンが自分達に対して敵意があるのかないのか、いまいち分からないのだそうだ。
そんなの困る、とミミは言ったが、そう言われても分からないものは分からない。
どうしようか、とミミとパルモンが恐る恐るって感じでもんざえモンを見上げていたら……。


どぉん!!


「いやぁああああああああああっ!!いいデジモンがどうして私達に攻撃するのよぉおおおおおおおおお!!」
『分からないってばぁあああああっ!!』

爆発音と砂煙が上がる。
ミミとパルモンは悲鳴を上げながら再び走り出した。
もんざえモンが突然目から赤いビームを放ったのである。
せっかくヌメモンを退けることができたのに、休む間もなくもんざえモンに襲われるなんて、冗談にもならない事態だ。
パルモンはまだ進化できないから、もう既に進化を成功させた誰かと合流しなければ、勝ち目どころか逃げることすらできない。
林を抜けて再びセピア色の草原に出たミミとパルモンは、身を隠すものが何もなくてどうしようと途方に暮れながら、背後に迫るもんざえモンから逃れるために走り続ける。

『お姉ちゃん、こっちこっち!』

そんな時に、ミミに声をかけてきたのは、何と先ほどまでミミ達を追いかけまわしていたヌメモンだった。
ヌメモンがいるのは窪地になっていて、ミミとパルモンが隠れても十分の深さがあった。
しかしヌメモンに助けられるなんて、と屈辱的になるミミだったが、背に腹は代えられない、と嫌そうな表情を隠さずにヌメモンがいる窪地にジャンプした。
どしん、どしん、ともんざえモンが近づいてくる。
ミミとパルモンは息を殺して、もんざえモンが通り過ぎるのを待つ。

どしん、どしん、どしん。

振動がどんどん大きくなっていく。
ミミとパルモンは身を寄せ合って、時が過ぎるのを待った。

間もなくして。

『……ふう、お姉ちゃん達、もういいぜ』

ぎゅっと目を瞑っていた間に、もんざえモンはミミ達が潜んでいた窪地を大股で通り過ぎて行った。
地響きが遠ざかって
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