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ナイン・レコード
ちいさなしまのおはなし
おもちゃの町
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でも下級生を危険から遠ざけるというのが面倒を見るという意味なのなら……ミミはもんざえモンに立ち向かわなければならない。

「……だから、アタシは貴方を何とかしてみせるわ。そうじゃなきゃアタシのお友達はみんなずーっとあのままなんでしょう?」

自分よりも何倍も大きなもんざえモンと対峙しても、ミミは怯まずに真っすぐもんざえモンを見上げた。
もんざえモンは、たくさんの風船を両手で持ちながら、何を考えているのか読めない目で見下ろしている。

大輔達を巻き込んではいけない、とミミとパルモンはなるべく遠いところでもんざえモンと対峙しようと、駆け足でその場から離れた。
途中で空とすれ違ったけれど、やはり空はミミのことなんか眼中になく、フラフラとした足取りでおもちゃに追いかけられている。
いつもなら真っ先に声をかけて、ミミを気遣ってくれるのに。
泣きたいのをぐっと堪えて、ミミはもんざえモンを探していたのだが、どしんどしんという地響きが近づいてきたので、ミミはその場に立ち止まった。

「どうしてあんなひどいことしたの?アタシのお友達が、貴方に何をしたっていうのよ!」
『おもちゃは遊びに飽きられるとあっさりと壊される。私にはそれが我慢ならない!何故おもちゃが遊ばれなければならないのか!おもちゃは都合のいい道具ではない!壊されるために作られたのではない!だから私はおもちゃのために、あの子ども達を“おもちゃのおもちゃ”にしたのだ!お前もおもちゃになるがいい!』
「何よそれ!!意味分かんない!」

ミミは、腹の底から叫んだ。

「おもちゃが壊されるのは確かに可哀そうだわ!おもちゃを乱暴に扱って壊すなんて、アタシだって許さない!でも、おもちゃは子どもを笑顔にするものでしょう!?子どもを喜ばせるものでしょう!?あんなの、笑顔じゃない!きっとおもちゃ達だって楽しくないって思ってる!こんなの望んでなかったって!」
『貴女に、何が分かるというのです!!』
「分かんないわよ!!子どもを笑顔にするために生まれてきたのに、子どもを悲しませてるもんざえモンのことなんか、ぜんっぜん分かんない!可哀そうに、賢くんもヒカリちゃんも泣いてたわ!もう二度とお兄ちゃん達に会えないかもって!おもちゃに取られたって!貴方はおもちゃのためを思ってやってるんだろうけど、そんなの全然違う!貴方がやっているのはおもちゃを乱暴に扱って壊す子どもと一緒よ!!」
『黙れっ!!黙れぇえええっ!!』

両手に持っていた風船が風に攫われていく。
もんざえモンは手あたり次第に目からビームを放って、ミミとパルモンを追い回し始めた。
きゃあっ、という悲鳴が破壊音と瓦礫でかき消される。
勢いよく啖呵を切ったのはいいものの、もんざえモンに対する策なんてこれっぽっちも練っていないミミは、逃げるし
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