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俺様勇者と武闘家日記
第1部
アッサラーム〜イシス
イシスの女王
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拝見したことがありません。女王様はなんと心の美しい方なのでしょう」
  すると女王様は、にっこりと微笑みを返した。
「わたくしも真の美しさとは心の美しさだと思っています。ですが殆どの人々はそれに気づかないのです。貴方たちとは気が合うかもしれませんね」
「女王様からそのようなお言葉を頂き、恐悦至極の思いです」
 表情を崩すことなく、深々と頭を下げるユウリ。その様子を横で見ていた私は、心の中で彼に感謝した。
 と同時に、女王様に失礼なことを言ったばかりか、そのあとのフォローも上手く言えない自分が悔しくて仕方がなかった。
「それで、要件はなんでしょう? わざわざこんな過酷な地へ訪れたということは、相応の理由があるのでしょう?」
 気を取り直し、女王様はユウリに向かって改めて尋ねられた。
「はい、恐れながら申し上げます。我々は今、『魔法の鍵』というものを探しています。そしてその鍵は、この地方にあるピラミッドにあると聞きました。しかし、ピラミッドは古代のイシス王家の墓。王家の宝を頂くというのはあまりにも礼を失する愚行とは存じているのですが、私たちもその鍵がなくてはこの先の旅路に支障をきたすおそれがあります。そこで、女王様にお願いがあります」
「なんでしょう。申してみなさい」
 女王様が促すと、ユウリは一呼吸おいて説明をし始めた。
「『魔法の鍵』を手にいれるために、ピラミッド内部に入る許可を頂きたいのです。ですが、それでは女王様に何の利益もありません。それに周辺の噂では、長年人が寄り付かないせいか、最近ピラミッド内部及び周辺に魔物が多く棲みついていると聞きました。そこで、『魔法の鍵』の対価として、我々がピラミッドの内部に入り、そこに生息している魔物を残らず退治するというのはいかがでしょう?」
 ユウリの提案に、女王様は破顔した。
「まあ、それは我が国にとっても大変有難い申し出ですわ。そもそもこの地には、人が生活するには厳しい場所なだけあって、腕の立つ者が不足しているのです。勇者殿がそう言ってくださるのなら、喜んで協力しますわ」
「女王様の寛大な御心に感謝致します。早速ですが、内部に入る際の注意点、及び詳細な地図があると大変助かるのですが、そういったものは……?」
「ごめんなさい。私も詳しくは知らないのです。今は王家の墓も別の場所に作ってあるので、わたくしたちがあそこに立ち入ることは殆どありません。むしろあの遺跡を調査している考古学者の方の方が詳しいかもしれませんね」
 そっか。語り継ぐ人はいないけれど、そこに興味があって調べる人はいるんだ。
「成る程。それではその考古学者はどちらに?」
「この城の離れに宮仕えとして働いている者がおります。少々変わり者ですが、その方に聞いてみると良い
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