暁 〜小説投稿サイト〜
俺、リア充を守ります。
第12話「We are ベストパートナー!!」
[9/50]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
やめぬ部下達を見続ければ、慎みも生まれよう」

 巨乳と貧乳、組織を二つに割る争いは泥沼化していた。

 二体の部下達は諍いを止めず、戦闘行為にまで発展するケースも散見された。

 先日、二体がテイルドラゴンと引き分け、撤退してきた時など、どちらが足を引っ張ったのかで大変な騒ぎになったほどだ。

 自分達についてきた部下達が、あたら無駄に命を散らしていくのを、これ以上見過ごす訳にはいかない。

 更に、焦る理由はもう一つある。あの後、フェンリルギルディが行方不明になったのだ。

 スタンドプレイも甚だしい若造であったが、実力は確かだった。それが忽然と姿を消した理由に、思い当たらぬ二体ではない。

 すでに闇の処刑人は降臨し、自分たちの尻に火を点けているのかもしれない……。

「こうなれば、このまま出陣するのも手だが……」

「得策とは言えないだろう。まだ貴様も私も、触手ぶきの傷が完治していないのだからな……私には剣があるが、貴様は丸腰で挑むようなものだ」

 クラーケギルディの触手は動かす度に、引き抜かれた箇所が痛むのか、動きにムラがあり、リヴァイアギルディの触手は振るたびに、風圧が火傷に響くようで、一瞬だが動きが鈍ってしまう。

「ならばこの拳でやりあうまでよ」

「お待ちください!」

 二体のだけの会議室に入って来たのは、スワンギルディだった。
「なんだ若造?剣の一本でも振るっていろと言っただろう。それとも、この前の仕返しにでもやって来たか?」

「いえ、そのような愚かな事は決して。むしろ、あの時の恩返しに来たのです」

「恩返し、だと?」

 そう言うとスワンギルディは二体に、傷を見せるように頼んだ。何をするつもりだ、と聞きながら傷を見せる二体に一言、失礼しますと言うとスワンギルディは深呼吸し、傷に手をかざした。

 淡い黄緑色の光が、二体の傷を包み込む。光は数秒で消えてしまったが、二体の傷は消えてはいなかったものの、先程に比べると大分癒えていた。

「お前、今何を?」

「癒しの看病エンジェリー・ナースィング……かつて私が、医療班長せんせいから教わった技です。修行不足ゆえ、治癒力はあの人の足元にも及びませんが、せめてこれくらいはさせて下さい」

「先生だと?スワンギルディ、貴様の師はドラグギルディと聞いているが?」

 首を傾げるクラーケギルディに、スワンギルディは懐かしむような顔で答える。

「はい、確かに私が弟子入りしたのはドラグギルディ様です。ですが私にはかつて、この部隊へ配属する前に出会い、憧れた恩師がいました。自分の属性に近しい属性を持っていた私に『剣だけでは部隊は支えられない』と、教えてくれた方。この技は、その思い出の一つです」

「そうか……
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ