第12話「We are ベストパートナー!!」
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せながら少女は歩いてきた。
「……君は、誰だ?」
レッドが問いかけると、少女は寂しそうに頭こうべを垂れた。
「そうか……分からぬか……」
「え、いや……忘れているだけかも、ごめん……」
何だ?レッドのファンか?いや、どう見てもこれはコスプレなんかじゃないし、この属性力の強さ、只者ではない。
直感的に、処刑人、という言葉が浮かんだ。
ああ、確かにこの闇を纏ったような姿と、圧倒的な威圧感。さしずめ闇の処刑人といったところだろう。
「無理もない。あの頃は、まだ手足の伸びきっていない小娘であった。これほどまでに艶やかに美しく成長してしまっては、あの頃の面影を見つけ出せないのも仕方のないことじゃ」
少女は、見下ろす形になるレッドに視線を合わせると、目元に涙を湛えた。
「だが……今度は貴女が幼女になってしまうとは、なんと皮肉な運命なのじゃ……!それは世界を超えた弊害か、それともカモフラージュか!?わらわがこうして、貴女の愛を受け止められるだけの身体になったというのに!!」
少女は黒衣に手をかけ、一気に投げ捨てた。
「わらわは……ダークグラスパー」
「な、何!?」
「それは─────テイルギア!?」
黒とは、輝きの対極に位置する色であるはずだ。
光沢を持つ黒色の加工品はあっても、黒い光など見たことも聞いたこともない。存在すらありえないはずだ。
だが、そのテイルギアにそっくりな鎧は輝いていた。
禍々しさを超え、もはや畏敬さえ感じるほどの、凛々しく気高い純黒に。
「違う。これはグラスギア……頑強装甲グラスギア。眼鏡を愛する力、眼鏡属性グラスの力によって作られた、最強の鎧じゃ」
「支配者グラスパーと眼鏡グラス、頑強と眼鏡をそれぞれかけているってわけか……眼鏡だけに」
「ほう、そこの男、分かるやつではないか。気に入ったぞ」
意外にウケていたようだ。……ん?このネーミングセンス、まるで……。
「貴女に憧れて作ったのじゃ、トゥアール。同じツインテール属性で作らなかったのは、貴女への敬意リスペクトあってこそ」
「……あなた?……トゥアール?」
レッドが困惑するのも無理はない。今、少女は確かに仮面ツインテールではなく、レッドに向けてそう言った。それが聞き間違いでないことを証明するように、もう一歩近づき、はっきりとレッドの目を見据えて言った。
「そして、今のわらわはアルティメギル直属の戦士。貴女を迎えに来たのじゃ、トゥアール。童と共に、戦って欲しい」
俺とレッドの隣で一言も発せずにいるトゥアール。
仮面の下の表情を、俺達には窺い知ることはできない。
冷徹に光る半黒縁の眼鏡のレンズが、少女の
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