第12話「We are ベストパートナー!!」
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ロ兄の戦闘は終わった。
「うわあ……ヒロ兄、本当に素手でも戦えるんだ……」
「お疲れブルー……」
こちらに夢中になっていたとはいえ、音もなく、いつの間にか敵を倒してしまっている愛香に戦慄する。
もう、愛香一人でいいんじゃないかな、とさえ思ってしまうくらいの速さであった。
その後、会長を連れて基地へ戻った俺達だったが、会長は浮かない顔のままであった。
「ブレスをお返ししますわ……」
覇気の無い声でそう言うと、ブレスを外そうとする会長の手を、俺は慌てて掴んだ。
「ツインテイルズを辞めるって事か!?」
「痛感いたしましたわ。わたくしには、皆さんと一緒に戦う資格は……」
「資格はない……か?」
会長の言葉を遮るように、先に口を挟むヒロ兄は、俺達に背を向けて立っている。
「……千優さんに偉そうな口を聞いておきながら、このザマです……わたくしの考えた方が甘かったのですわ……」
俺は慌ててフォローに入る。
「俺達は三人とも、一応子供の頃から武術を教わっているんだ。だから戦いにもすぐに順応できたのかもしれない。会長はまだ、緊張して上手く力を発揮出来ていないだけなんだよ」
「総二、それは多分違うぞ。確かに近接武器ならそれは有り得るかもしれないが、慧理那は遠距離戦用の武器が殆どだ。それに、それを抜きにしても、慧理那のあの様子は……」
ヒロ兄が背中を向けたまま、厳しい視線をこちらへと向ける。
「あの様子は、も・っ・と・根・本・的・な・所・が・理・由・で・力・を・使・い・こ・な・せ・て・い・な・い・ようだったが、違うか慧理那?」
「ッ!!……千優さんは、本当になんでもお見通しなんですね……」
そう言うと、俺や愛香、トゥアールに桜川先生、Dr.シャインが見守る中、会長は少し俯きながら話し始めた。
「テイルギアは、ツインテール属性という、ツインテールを愛する心で稼働する。そうでしたわよね?」
「ああ、そのツインテール属性をコアにして作られているからな」
「正直、初めて変身する時は……失敗するのでは、という思いが強かったですわ」
どうして、と問う俺に会長は何度も躊躇うように唇を動かしてからか細い声で言った。
「わたくし……本当はツインテールが嫌いですの」
「──―なんだって!?」
「ほう?」
叱られるのを待つ子供のように、ばつが悪そうに身を小さくする会長。
「会長!気を遣ってそんな?言わなくてもいい。……いや、それは俺が一番傷つく嘘だ」
「……観束君は、本当にツインテールを愛しているんですのね」
とうとう、会長は目に涙を浮かべ始めた。
「本当は、自分でしたくてこの髪型にしているんじゃ
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