第12話「We are ベストパートナー!!」
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解除し、マスクを外す。俗に言うメットオフだ。
「え?伝えるって……」
正直なところ、特撮とかであるようなかっこいいセリフなら余裕で言えるんだけどなぁ……。
だが、総二からも言われた通り、これが一番の特効薬だろう。ならば、ここは男を見せなくてはならない。
視線を逸らさないよう、慧理那の瞳を真っ直ぐに見据えながら、俺は言葉を紡ぐ。
「別に俺は総二や愛香ほどツインテールが好きでもない………………そもそも、俺の好みなんて曖昧で、結局『好きになった娘が好みの基準になるんだろうな』くらいのものだ……」
「あ、あの、千優さん?それはいったいどうゆう……」
総二の提案はこうだった。「会長の一番の理解者であるヒロ兄が、会長のツインテールを好きだって伝えればいけるんじゃないか?」と。
自分で言ってて恥ずかしさに目を背けそうになるのを堪え、少しづつ紅潮していく慧理那の顔を見つめながら続ける。
「慧理那がツインテールを嫌いだって言うなら、それでも別に気にはしないが、俺はその髪…………長くて綺麗なその髪には……結ばずにロングにするのもいいとは思うが、やっぱりツインテールに結んだ方が似合っている…………なんとなく、そう思うんだよ……」
言葉に合わせるように、なるべく自然に笑って見せる。少しぶきっちょかもしれないが、真顔で言うよりはいいはずだ。
「千優……さん……」
「俺は、ツインテールにしている慧理那が気に入ってるし、しっくりくるんだよ……一年間隣で、ずっと見てきた影響かもな……」
最後の締めに、俺は総二のアドバイス通り、慧理那のツインテールを手に掬いとる。
ふむ。この感触、グローブ越しではあるが存外悪くない……総二がついついやっちゃうわけだ。
「あ…………///」
「だからさ……これからも、結び続けてくれないか?人目が嫌ならせめて、俺の前だけでも。師匠おれからの数少ない我が儘おねがい、聞いてくれるか?」
ちなみに今俺が言ってること、一応全部本心だ。今までこうして言葉にするまであんまり意識したことなかったけど、どうも俺は、意外に慧理那のツインテールが気に入っていたようなのだ。さっき言った通り、好きな人の格好が好みになるタイプだからなので慧理那限定ではあるが、とりあえずこれはもう認めざるを得ないだろう。
「…………す……」
「え?」
慧理那が蚊の鳴くような声で何かを呟く。
「もちろんです!!千優さんがそういって下さるのなら……そう褒めて下さるなら、わたくしは続けられます!!この髪型を……あなたが認めてくれるなら、わたくしはこのツインテールを誇ることができます!!」
言うが早いか、俺に抱き着く慧理那。……一瞬、思考回路がフリーズした。
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