第12話「We are ベストパートナー!!」
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中のリア充の為に。クラブギルディの時は、休日を邪魔された上に、もう少しでツインテールを奪われるところだった慧理那の為に。そして、クラーケギルディとの戦いでは、あまりの怒りに見失ってしまったが、総二と愛香の為に。
「大切な人達や互いに認め合える敵……そういった誰かの為を思っているからこそ、怒りを抱く。今だってそうだ。慧理那、お前の為に俺は怒っていた。そして、それを自覚することが出来たから、暴走しなかった……それを忘れない限り、俺はもう二度と暴走しない」
「千優さん……わたくしも感じましたよ。あの炎の拳を受け止めた時、千優さんがわたくしを思いやってくれている事……ちゃんと伝わりました。もしかしたら、それが伝わったから、一瞬だけですが、テイルギアを使いこなせたのかも知れません……」
「誰かの為に怒ってくれる、か……ヒロ兄らしくて、いいんじゃない?」
「俺らしい、か……ああ、そうだな。これが俺だ。今は胸を張ってそう言えるよ」
やっぱり、周りの評価や自分の力に怯えるなんて、俺らしくないんだと、実感した瞬間だった。
「では、今度はわたくしが……乗り越える番、ですわね……」
「そうなんだよなぁ……どうすればその分厚い心の壁、というか箱だな。それを粉砕できるのか……」
抑圧と重圧の多い日々を送ってきたのだろう。何度前に向かう為の応援を聞かせてもまだ足りていない。せめてなにか、決め手になるようなものが欲しい……。
「そうだ!ヒロ兄、ちょっといいか?」
レッドが思い付いたように拳を平手に当てる。頭の上に電球が見えるポーズだ。
「ツインテール先生、何か名案でもあるのか?」
「いいなそのあだ名……って、そうじゃなくて。ちょっと耳貸してくれ」
おいおい良いのかよ、とぼやきながらもレッドの背丈に合わせてしゃがみ、耳を傾ける。
総二の名案は……なるほど、確かに納得だ。納得なんだが……
「……ホントにそれをやれと?」
「これはヒロ兄じゃなけりゃ意味がないんだ。大丈夫、ヒロ兄の国語の成績と、小説の腕なら即興でもいい感じに決められるさ」
「いや、確かに去年から趣味とはいえネット小説書いてるけどさ、書くのと言うのでは大分違うんだぞ!?」
「いや、さっき会長に言ったセリフ、岩陰から全部聞いてたから説得力が無いんだけど?」
「……確かに」
言われてみれば確かにそうだ。振り返ってみればあんなセリフよく浮かんだな。
「よし、やれるだけやってやるか……慧理那」
立ち上がり、ちょっと深呼吸をして心を落ち着かせるながら、慧理那に向き直る。
「はい、なんでしょうか?」
「この際だから、伝えておこうと思う……」
フェイスマスクに手をかけると、ロックを
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