第12話「We are ベストパートナー!!」
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それが、それだけが何にも分からないんですの!!」
「"好き"から逃げるな!!」
その一言に、慧理那は眼を見開く。
「逃げ続けていて何か変わるか?目を背け続けて見えるものがあるか?周りからの評価を気にし続けることに意味はあるのか!?」
「そ……それは…………いいえ、それでは前に進めません……いつまで経っても進歩できません……でも……」
分かっているのだが踏み出せない。悔し気に唇を噛みしめる慧理那の目から一筋の涙が零れる。
「その顔はなんだ!?その目はなんだ!?その涙はなんだ!?ヒーローになりたいんじゃなかったのか?俺たちの背中を見て、それを追いかけたいと思ったから……その隣に立ちたいと願ったから、ツインテイルズになることを選んだんじゃないのか!?」
「そうです……そうですとも……でも、何度自分に問いかけても、耳に残った声が……脳裏に焼き付いた人達の目が振り切れないのです!!ツインテールを家訓だと言ったお母様の声も、わたくしを子供っぽいと笑った人達の笑い声も……学校で、わたくしを愛玩動物でも見るかのように見てくる生徒達の目も!!もう少しで答えに到達する所で、追いついてくるのです!!」
「他人の目などどうでもいい!!どうして振り切っていく勇気が出せない?それさえあれば、お前の夢ヒーローになることは叶うんだぞ!?自分の本心を認めるだけで夢をかなえられるのに……ここで踏み出さずしていつ踏み出す?お前の涙でこの地球を救えるのか!?人々を守れるのか!?俺やお前が尊敬しているヒーローは、どんな恐ろしい敵が相手でも、どんなに強大な悪が立ちはだかろうとも逃げ出さない!逃げてばかりの自分が恥ずかしくないのか!?」
「ッ……」
どれだけ心の奥深くに自分の思いを閉じ込めて過ごしてきたのだろうか。どれほど分厚い心の壁で、封じ込めてしまったのだろうか。
正直なところ、あえて厳しく接しているが、これはこれで心が痛む。殴られた方が痛いのは当然だが、時には殴った方の手だって痛いのだ。
しかし、これが慧理那の為になるのなら、彼女の勇気に繋がるのなら、俺はこの痛みを受け入れる。何回だって傷ついても構わん。教え導く事が出来るのなら、本望だ。
だが、それとこの憤りとは別だ。俺にも我慢の限界というものがある。一年間、師匠として教えてきたからこそ、こんな手応えのなさでは白けるどころではない。
この怒りは、慧・理・那・を・前・へ・進・ま・せ・る・為・の・も・の・だ・!!
「それでも自分の本心と向き合えないってんなら、その心の壁、ブチ拭いてやる!!」
ベルトのカメラボタン、もといブーストボタンに親指を当てる。
『おい千優、いいのか!?』
ヒーローCが慌てたように叫ぶ。当然だ、暴走してい
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