第11話「I'm a テイルイエロー!!」
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「属性力に感情エネルギー……今まで、こんな大きな力を平気で使ってきたこと自体が不思議なくらいだろうがよ!!」
そのまま走り出す。これ以上慰めの言葉をかけられると、余計に辛くなる気がした。
「「ヒロ兄!!」」
「千優さん!!」
……あとで頭を冷やして考えれば、とても申し訳ない持ちになる。俺は、心配して、励ましてくれた弟分と妹分に、ひどい事を言ってしまった。
放課後、謝らなくては……。
□□□□
「……千優さん、何があったんですか……あの強くて、どんなに辛くても諦めない千優さんはどこに行っちゃったんですか!!」
「これが……俺だよ……」
「嘘です……そんなの、嘘に決まっていますわ!!だって、私の知っている千優さんは……師匠はあんなに強くて、勇ましくて、かっこいい……そんな人です!!」
「俺はそんなにできた人間じゃない!!」
屋上のフェンスに拳を当ててしまう。フェンスのガシャガシャいう音がしばらく響いた。
「……夢を……見たんだ……」
俯きながら、ぽつりぽつりと語りだす。
「テイルドラゴンが……仲間たちを……殺してしまう夢を……。そして……俺を、悔恨の籠った目で見つめる人々の姿を……」
「……………………」
しかも、あの悪夢には続きがある。俺を取り囲んでいた人々も、次の瞬間には、炎に焼かれ、切り刻まれてしまう。亡骸に囲まれたまま、俺は号哭する。気が付けば視界の赤も、俺を囲んでいた亡骸も消え、今度こそ真っ暗な空間に、独り座り込んでいる。でもよく見れば、不安が茨の形を取って、体中に巻き付いていた。
「チカラ……ガ……コワイ……」
「キズツケル……カモシレナイ……」
「キラワレタク……ナイ……」
茨は俺の不安を呻きながら、どんどん俺の動きを封じていく。最後は茨に押し潰されるように、俺は取り込まれてしまった。これが俺の悪夢の全容だ。
「テイルドラゴンは俺の、ヒーローとしての理想の具現だ……俺の理想が、仲間たちを殺していったんだぞ?俺の理想が……守りたい、大切な人たちを壊してしまうなら……俺には……もうヒーローとして戦う資格は……ない……」
慧理那には残念だが、俺はヒーローとして、未熟だった。力の大きさも理解しておらず、その力に振り回された挙句、このザマだ。情けないったらありゃあしない。
「世界一のヒーロー属性を持っている、なんて言われたが、その実何にも分かっちゃいなかったんだ……俺なんかが選ばれたこと自体……いや、師匠と呼ばれる事さえ、間違っていたという事さ……」
「…………そんな……」
「メディアでもネットでも散々な言われようだったよ……テイルドラゴンは危険人物だ、だのエレ
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