第11話「I'm a テイルイエロー!!」
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着ているものと同じブレザー、一年生だということを示す青いネクタイ。そして赤い髪に、生気を失ったその顔は……総二だった。
そして反対側。女生徒の制服に、これまた一年生を示す首元の青いリボンに、ツインテールに束ねられた藍色の髪は、リボンが切れ、片方が解かれてしまっている。
言うまでもない、愛香だ。俺は、二人の亡骸の間に座り込んでいたのだ。
「嘘だああああ!!」
これは夢だと分かっている。でも、身体中が震えて止まらない。
そう、俺はこの光景が現実化するのではないか、と恐れているのだ。
こわい。怖い。恐い。不安は恐怖となり、ゆっくりと俺の体を蝕んでいく。
ふと、顔を上げると、周りを何人もの人に囲まれていた。全員、顔がのっぺりとした仮面で隠れているが、見知った者が何人かいる。
トゥアールが。未春さんが。尊さんが。そして慧理那が……顔は見えないが、俺に向けられた視線が口に出さずとも、悔恨と蔑みを語っていた。
「やめろ……やめてくれ……」
夢なら早く覚めてくれと。そう思った。だが、悪夢は終わらず━━━━━
「うわあああぁぁぁぁ!!」
「「うおっ!?」」
目が覚めると、そこは2年C組の教室だった。
辺りを見回すと、何人かはもう帰り始めている。どうやら、居眠りしたまま授業が終わったらしい。
「だ、大丈夫か?」
「居眠りしたまま授業終わったから、そろそろ起こそうと思って近づいたら……魘されてたぞ?」
「く、黒川……それに上郷も……」
叫びながら飛び起きたせいで、驚いて席から転げ落ちた二人に気づき、悪いな、と謝る。
「昨日の夜、眠れなくてさ……」
「珍しいな。普段は夜更かししても、基本的に日付が変わる前には寝るくらい睡眠には貪欲なお前が、寝不足なんて……」
「何かあったのか?」
「夜中、悪夢に飛び起きてさ……」
目覚めの悪さが最悪過ぎる。そして、寝る度に悪夢の続きを見る事になるなんてな……。
「すみません……ちょっと千優さんをお借りしてもよろしいでしょうか?」
「「か、会長!?」」
「慧理那?」
立ち上がった直後にこちらへとやって来た慧理那に飛び退く二人。
「どうぞどうぞ、こいつでよかったら好きな様に使ってください」
「上郷、その言い方思いっきり面倒を押し付けたい人間の台詞なんじゃ……」
「はい!それでは、お借りしていきますわね?千優さん、ちょっと来てもらえますね?」
二人に笑顔で頭を下げ、俺に付いてくるよう促すと、そのまま廊下へと向かう慧理那。
俺はその姿を追いかけながら、後ろへと続く。
「これでちょっと前までなら、『会長に連行されるとか、何や
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