第11話「I'm a テイルイエロー!!」
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「ならば互いに傷を治し、次こそは尋常な勝負といこうではないか。テイルドラゴンを倒すのは私だが、奴らが3対2の総力戦を望むのであれば、その中で貴様も手を合わせるといい。守る為の拳と信念の剣、まともなテイルドラゴンとの勝負が心躍る戦いになるのは、私が保証しよう」
互いに笑い合う二体。巨乳と貧乳、相反する対極の属性だが、この瞬間だけ、二体を隔てる壁は消えていたと言えるだろう。
「おやおや、随分と賑やかですねぇ」
「む?お前は?」
2人の会話に水を差したのは、美しい銀色の毛並みと、鋭く尖った耳、口からはみ出た白い牙を持つ狼のエレメリアンだった。
「フェンリルギルディか……貴様、何の用だ」
「小手調べに向かったお二人が、重症を負わされて撤退した、と聞きまして。見舞いに上がった次第です」
「その割には随分と態度が大きいものだな。我が物顔で通路を歩いて来ておいて、何が見舞いだ」
リヴァイアギルディの言う通り、フェンリルギルディは今、とても二体を心配して駆け付けた、と言うふうではない。どこか、勝ち誇った様な笑みさえ浮かべている。
「実はこの度、ダークグラスパー様から謁見の機会を与えられましてねえ」
「何ッ!?」
「ダークグラスパー、だと!?」
驚く二体。真に存在するかどうかでさえ定かではなかった上に、到着したとの連絡さえ来ていなかったのだ。
あまりの予想外ぶりに、隊長の二体でも驚きを隠せない。
「貴様、謁見の機会と言ったが……それがどうゆう意味か、正・し・く・理・解・し・て・いるのであろうな?」
「ええ、もちろん理解していますとも。では、ダークグラスパー様を待たせる訳にはいきませんので」
そう言うと、毛並みを靡かせ、風を切って歩き去るフェンリルギルディ。
「クラーケギルディ、あの若造は?」
「ああ、下着属性アンダーウェアーのエレメリアンだが、その属性故に部隊から爪弾きにあっていてな」
「あの野心の篭った目……首領様直属の戦士に呼ばれるような事をしでかしたのか?」
「先日の会議の直後、私の前でツインテールを軽んじたのだ……」
「なんだと!?……あいつ……」
その背中を、クラーケギルディとリヴァイアギルディがどんな顔をしていたのか、彼は知る由もないなかった。
□□□□
目を開けると、まず目に入ったのは赤だった。
足元から地面いっぱいに広がる赤が、視界を覆い尽くしていた。
「うそ……だろ……」
両目の視界の隅に浮かぶそれに、俺は目を背けようとする。だが、目は閉じられず、首も曲げることが出来ず、逆に俺の目は、それに釘付けになってしまった。
「そ……んな……」
俺が
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