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俺、リア充を守ります。
第11話「I'm a テイルイエロー!!」
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「よし、メンテナンス並びにアップデート完了!!」

 Dr.シャインが作業の終了を告げる。

「ありがとうトゥアール女史。お陰で助かったよ」

「いえいえ、私も勉強になりました。私の世界には存在しなかった未知の技術……興味深いものでしたよ。それにシャインさんの技術は間違いなく、世のため人の為に磨かれたものだと感じました。完全に信用しきるのは早いですけど、悪い人ではないことは私が責任を持って保証します」

 これは、博士コンビの結成だろうか?この短時間で、互いの技術と研究成果を通して随分と親睦を深めたようだ。

「では改めて。千優くん、君にこのヒーローフォンを託すとしよう。リミッターは修繕してあるから、もう簡単には暴走しない筈だ」

「ありがとうございます、ドクター。今度からは、俺も気を付け……」

 ヒーローフォンを受け取ろうと手を伸ばす。

 ……伸ばしているのに……何故だ?ヒーローフォンにあと数ミリで触れることが出来るのに、右手が動かない。指先から手のひら、手首、いや肩まで、まるで時を止められたかのように動かすことが出来なくなってしまっている。

「あれ?……なんで……」

「……千優くん?」

 もう一度、ヒーローフォンを受け取ろうと手を伸ばす、が触れる前にうでが固まってしまう。

「嘘だろ……どうして……?」

「千優さん?」

「ヒロ兄?」

「どうかしたのか?」

 左手でも試してみたが、同じだ。手に取る事ができないどころか、触れる事すらできない。

「大丈夫、なんでもな……」

 無理して手を伸ばそうとして瞬間、頭の中に、一つのヴィジョンがうかぶ。

 俺の周りは真っ暗闇で、ただ、俺の立っているところだけが白い光に照らされている。そして、目の前にはテイルドラゴンが立っているのだ。

 そう、眠っている間に見た、あの悪夢がフラッシュバックする。

「ま、まさか……」

 次の瞬間、向かい合ったテイルドラゴンが全身から怒りの炎を噴き上げ、咆哮する。

 悪夢と同じく、俺に炎爪の切っ先を向けて飛びかかって来るテイルドラゴン。

「うわっ!!」

 間一髪、逃げるように身を逸らす。回避する事が出来た、と、そう思ったのも束の間だった。

 着地したテイルドラゴンは、そのままどんどん進んでいった。

「ッ!?どうゆう事だ?何故俺を狙わない!?」

 テイルドラゴンの向かう先を目で追う。暗闇の中だが、その先にも白く、スポットライトのように照らされた場所があった。

「あれは……そんな、やめろ!!」

 気づいてすぐに走り出す。暴走テイルドラゴンの目指す先には、これまた同じく見覚えのある姿があったからだ。

 
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